人民元のことを中国語では「人民幣」と言います。
1980年から1993年まで、外国人は中国で両替をすると、外貨兌換券という外貨を管理するために導入された紙幣が渡されたのです。その外貨兌換券を使い買い物などをしていました。当時外国人は人民元が手に入っても、外貨への再両替ができなかったそうです。
その後、外貨兌換券が廃止となり、今のように外国人も人民元を使えるようになったのです。
99年7月から発行を始めた第5判では、人民元の100元、50元、20元、10元、5元、1元紙幣に毛沢東の肖像で統一しています。それぞれ、赤、緑、オレンジ、青、紫色、薄い緑色になっています。第4判では毛沢東、朱徳、劉少奇、周恩来の建国以来の指導者四人が横に並んでいる100元札、工場労働者、農民、知識人の肖像がのった50元札、そして10、5、2、1元札には各少数民族の肖像がのっていました。
第5判の紙幣の裏には、それぞれ違った建物や景勝地がプリントされています。100元札の裏には人民大会堂、50元札の裏にはチベット自治区のポタラ宮殿、20元札の裏には桂林、そして、10元札の裏には長江三峡、5元札の裏には泰山、1元札の裏には西湖が掲載されています。
その他に、0.1元にあたる角や0.01元にあたる分もあり、5角、2角、1角、5分、2分、1分の紙幣があります。でも、分になるとほとんど使わなかったり、切捨てて支払う場合もあります。
1元には紙幣の他、2000年に発行になったコインもあります。北京でも見かけることは見かけるのですが、やはり紙幣の1元の方がまだ主流のような感じがします。でも、上海では地下鉄に乗るとき、切符の自動販売機ではそのコインの1元しか使えないので1元コインが主流となります。
ところで、「元、角、分」は書き言葉で、読む場合は「元は塊(クワイ)」「角は毛(マオ)」「分はそのまま分(フェン)」と言います。例えば3.6元と表記されているものは3クワイ6マオ、もしくは3クワイ6とマオを省略していう場合もあります。
さて、コインは1元以外に、5角、2角、1角、5分、2分、1分があります。日本の一円玉に似た大きさなのが2分です。
紙幣の裏側にはウイグル、モンゴル、チベット文字の表記もありますよね。そんなところからも、中国にあらゆる民族がいることがわかります。
2003年12月末から新東京国際空港でも人民元に両替ができるようになったそうです。夜遅くのフライトで中国に着いてしまうと、中国の空港内の両替所は閉まってしまうので、あらかじめ新東京国際空港で両替しておいたほうがいいでしょう。
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