最近中国では歴史を尋ねるツアーがとても流行っています。古代の文人のふるさとを訪ねるとか、歴史上の著名な場所を尋ねるとか、とくに外国からの観光客に人気があります。今回のぶらぶら歩きはこんな歴史ある二つの場所をご紹介します。北京大学の旧跡である紅楼とお馴染みの天安門広場です。
紅楼は小説、紅楼夢の紅楼ではなくて、1918年に建てられ、かつて北京大学の図書館、文学学院があったところで、場所は北京市中部の五四道路29号です。観光客の呂愛玲さんは「この建物自身、なかなか特徴があり、当時の中国ではとくに目立った建築物だったのでしょう。それより一番興味があるのはやはりその歴史です。この建物からは、中国の長い歴史が感じられます」と話してくれました。
特徴というと、紅楼はポルトガル人がデザインしたものです。西洋風の建物で、当時の北京で最も現代的な雰囲気の建物といえるでしょう。北京大学は現在北京の西部地区に引越しました。紅楼は文物と新文化運動記念館として保存されています。
なぜ紅楼という名前なのでしょうか?ガイドの段冬冬さんは「赤いレンガで建てられ、全体が赤色なので、紅楼と呼ばれるようになりました。」と話してくれました。毛沢東氏の初めての仕事はここ紅楼の図書館管理員だったそうです。ここ紅楼の一階、毛沢東氏の当時の仕事場新聞閲覧室はまだ保存されています。古い椅子やテーブル、なんだかタイムスリップした感じがします。
紅楼記念館の郭俊英副館長は、「ここ紅楼では数多くの先進的な思想を持つ知識人が誕生しました。彼らは中国を改革する理念を探っていました。ですから紅楼は中国近代化を象徴する建物と見ています」とこのように話してくれました。
紅楼のほか、その所在地の五四道路も歴史と深いかかわりがありますよね。この道路は長くないのですが、道路の西側に「五四運動」を記念する大型のレリーフが立っています。レリーフは土に刺した本の形のようで、当時の若者の科学に対する渇望を物語っています。中国美術館もこの道路沿いにあります。紅楼を見学した後ここによってもいいです。
紅楼の会館時間は月曜から日曜まで午前8時半から午後の4時半までで、入場料は5元です。
五四道路からずっと南に行くと、数十分で、皆さんにお馴染みの天安門広場につくことができます。天安門は紅色の城壁と瑠璃瓦に彩られた高さ33.7メートル、2重の城門楼で明、清代皇城の正門でした。1420年に「承天門」として創建されましたが、戦火で焼失しました。1651年に再建され「天安門」と改名されたのです。
もともと、皇帝の詔書(しょうしょ)が発布されるところでした。1949年10月1日、毛沢東氏によりここで中華人民共和国の建国が宣言されたことで有名となります。
天安門から正陽門まで南北880メートル、人民大会堂から歴史博物館まで500メートル。世界最大の広場といわれ、長安街を含めると100万人を収容できます。
1919年5月4日には、日本の「対華21か条要求」に抗議する学生らが抗議デモつまり五四運動を行ったところでもあります。1949年には「中華人民共和国建国式典」が盛大に行われた場所でもあります。
現在は、中国各地からの観光客や外国人の観光コースとして、また地元の子供やお年よりが凧揚げをしたり、カップルのデートコースとしても賑わいを見せています。特に国旗の掲揚や降揚式が行われることでも有名で、この儀式を見ますと、中国に来たなあと感じるでしょう。
イタリアからの観光客ソフィリさんは天安門広場について「天安門広場はとても広くて美しいです。天安門の楼閣は宮殿のようでとても綺麗。とにかくとても印象に残りました」と話してくれました。
天安門広場を中心に西側には中国の国会議事堂に当たる人民大会堂、南側には毛沢東主席記念堂、そして東側には中国革命博物館が立ち並んでいます。天安門の楼閣の開放時間は、朝8時から午後の5時半までです。入場料は15元、日本円で200円ほどです。
天安門を潜ると、有名な紫禁城があります。これもまた、北京観光でははずせない場所です。もし時間があれば、ぜひ五四道路の紅楼に寄ってください。
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