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一家水入らずの旅
   2006-09-07 17:33:54    cri
 9月1日、中国では、新学期が始まります。大学では、その前に、新入生の手続きのための登校日(1)があります。北京は、地方からの新入生が集まってくるため、毎年、8月末ごろになりますと、こうした若者の姿が目立ちます。ここ数年は、一人っ子(2)が増えるに連れて、親が付き添う(3)という光景が見られるようになりました。親たちは、子供の荷物を手に下げ、大学のキャンパスにある寮(4)まで送ります。そして、布団を敷き、生活必需品を買い揃えてあげます。これは過保護(5)ではないかと、中国人はもちろん、特に外国の方が批判しています。けれども、この現象は減るどころか、年々増える傾向にあるようです。

 今年は、キャンパス(6)のベンチで寝る親たちの姿も目立つようになりました。少なくとも大学が始まるまでの間は子供と一緒に過ごしたいと思ったのではないでしょうか。寮には泊まることができませんし、北京についてはあまり詳しくない上(7)、外は夜でもぜんぜん気温が下がらないのだから大丈夫、というのがこうした親たちの気持ちでしょう。これについて、過保護がもっとひどくなったのではないかと、嘆く人がいます。

 しかし、回りには、次ぎのような声もあります。小学校から大学まで、親も大変苦労しました。それに、大学入学が以前よりずっと容易になったとはいっても、これはやはり大きな祝い事で(8)、家族にとっても名誉なこと(9)だと見られているほどです。この日を迎えるため、十数年の苦労が実ったのだから、せっかくのチャンスとして一家水入らずの旅(10)を楽しんでもいいのではないかという考え方です。大学入学への旅は、一家にとってなによりのカーニバル(11)なのかもしれません。

 これを聞いた私は、なるほどと思いました。特に、殆ど核家族になっている都市部では、親と子供の関係は昔と比べて微妙に変わっている感じです。我が家の場合で言えば、中学校1年生になった息子とは親子関係より、対等な友人関係のようになっています。親として、息子の笑顔、悩み、無邪気などによって、癒しされ(12)、子供に救われている場合が多い感じです。

 親離れできない子供より、子離れできない親も多くいることが、子供を大学まで送る旅の背景にあるのではないでしょうか。

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