このごろになりますと、北京の街角では、エンジュ、(1)ライラック、タンポポのような野の花も咲いています。でも、校内や庭などでは、よく棚から下がっている(2)藤の花を見かけます。とくに大学の(3)キャンパスでは、2メートくらい高い(4)コンクリート製の棚から、薄紫の(5)花房が一杯たれており、その下に学生たちがおしゃべりしたり、読書したりする風景をよく見かけます。藤の花は、(6)おおらかな香りや上品な色などから、中国では昔から文人に深く愛され、その邸宅によく植えられる植物でした。それが引き継がれたものでしょうか、この花は多くのキャンパス内を飾っています。とくに古い学校ほど、(7)藤があるようです。私の記憶の中にも、大学の図書館の両側にある3メートルぐらい長さの(8)藤棚が深く焼きついています。資料を調べると、上海にある百年前に海外の中国人が建てた「南洋模範中学校」という名門校にも、学校の歴史とともに植えられた藤の木があって、今でも茂っているとことが分かりました。藤の(9)上品さ、葉から幹、根にいたるまで、漢方薬の材料になり、(10)生命力が強いということから、藤のような人材を育てたいという学校の目的に合っているそうです。この百年余りの藤の老木は、非常に大事にされています。校舎を建て替えるときも、藤の木を守るため、木を切らないよう配慮して校舎を設計したほどでした。卒業生にとって、世界どこへ行っても、この藤の花はいい思い出になることでしょう。
北京でも、(11)樹齢200年あまりの藤が現存しており、それは、清の時代の有名な文人の(12)邸宅で茂っています。高さ4メートル、根を張った広さは20平米もあり、とても立派だそうです。「今ちょうど見頃だよ、見に来てください」と電話の向こうから、店員さんの(13)弾んだ声が聞こえてきました。このレストランには、世界各国の首脳がよく訪れ、日本の大平正芳、橋本竜太郎の両総理大臣などもいらしたことがあるそうです。2,3前まで、満開直前の藤の(14)花弁を作ったお菓子は、旬のものとして出されことのこともあります。私は(15)このお菓子を一度も食べたことがありませんが、いつか見つけて試してみようと、ワクワクしています。
|