北京は猛暑のシーズンに入り、30度を超える日が続いています。
さて、今年、中国の国内での観光コースには、(1)「紅い旅」というコースが人気を集めています。ここで使われている紅いという意味は、1920代中国共産党が成立して以来、戦ってきた拠点を指しています。たとえば、1934年10月に始まった約1万キロメートルの大行軍・(2)「長征」が経由した町が、それです。これらの町は、山の多い貴州省、雲南省、四川省などに多く点在しています。また、国内戦争、抗日戦争などで、多くは共産党が生活を営みながら戦い続けた所で革命根拠地とも言われています。北京の近くの町もあれば、山西省、陝西省、東北地区など、ほぼ全国に分布しています。これらの町は、東部沿海地区よりずっと(3)立ち遅れている西部の町もあれば、大都市に近いが、辺鄙なところあるいは山奥にある町もあります。いずれも、交通や自然条件などの制約を受け、工業生産が遅れています。けれども、ここは長い間自然がそのまま守られていることから、汚染がなく、自然環境に恵まれています。
これらの町の住民の生活レベルを高めようと、政府は(4)扶助政策を打ち出しました。今回の方法はもっぱら資金投入をした昔とは違って、観光にスポットを当てました。都市部住民に旅を楽しみながら革命時代の(5)厳しかった条件を肌で感じてもらおうというわけです。ここでは、勉強にもなるし、空気が新鮮で、農薬が使われていない(6)野菜や(7)山菜などが食べられると、観光客の人気を集めています。
私は、わざわざこれらの町へ見に行こうという動機ではありませんでしたが、幼いときから憧れていた毛沢東の生まれ故郷や、鄧小平が率いる8路軍の129師団が活躍していた町などへ行ってみたことがあります。歴史の教科書で習った町をこの目で確かめられたことは、やはりなんとも言えない感じがしました。
また、この「紅い旅」は外国にも対象を広げています。それは、トリアというドイツの南西部にある(8)古い小さな町です。ここは(9)カール・マルクスの(10)生まれ故郷です。中国観光客が急速に増えていることから、この町では(11)中国語学習のブームが起きているとのことです。
このように「紅い旅」は、私たちに(12)自然を楽しむ旅とまた一味違う感動を味わえるコースになっています。
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