北京は短い(1)トレンチコートの姿が目立つようになりました。皆さんの所はいかがでしょう。
さて、(2)りんごを収穫する季節になりました。先週、土日、私は中国で有名なりんごの産地、山東省へ取材に行ってきました。栖霞市という小さな町です。去年も行ったが、今回は、感想が(3)異なっていました。沿岸部の煙台で飛行機を降り、高速道路を車で一時間ぐらい走るところです。両側の小高い山には、一面にりんごの木が見えてきました。枝には赤く色づいたりんごが一杯実っているのを見ているだけで、わくわくしました。(4)坂道の多い栖霞市には、道並みが去年より(5)整備されたような気がしました。(6)ゴミが少なくなり、ずいぶん清潔になった感じがしました。新しく建てられた(7)民家も目立ち、町ではりんごをイメージした(8)オブジェがいくつか増えました。
去年は、りんご祭りの開会式とか会議の取材だけだったが、今年はりんご農家を取材することにしました。そのため、(9)地元の記者と一緒に車で町の中心地から、山奥へ20分間走るところへ行きました。張洪波さんが主人で、ちょうどりんごを収穫していました。赤いりんごが(10)たわわに実った2メートルぐらい高い木の間で、話し合いました。40代の張さんは、無口で、質問されると、「別に、いいえ、まあね」など簡単にしか応じてくれませんでした。彼の答えはあまりにも簡潔で、番組に使えそうもないので、取材しながら少し(11)がっかりしていました。30分間ぐらいの今回の取材は、(12)知恵を絞って話題を探したので、最も苦労した取材です。でも、印象に残るものがありました。新鮮な空気、(13)さえずる小鳥、清らかな風、そして大きく実る赤いりんごでした。これより、最も深く頭に焼き付けられたのは、張さんの笑顔です。りんごを眺めるときの笑顔は、しわだらけだが、優しさと、幸福感に満ちているように見えました。鋏で枝からりんごを摘み取るときの動作は素早く、手でりんごの上下だけを持つようにしていました。特にりんごを籠に入れるときの笑顔が一杯になり、まるで子どもを眺めているような表情でした。4年前から(14)りんご農家になったが、それから暮らしが大きく変わったとのことです。年間収入は1万元(日本円の15万円ぐらい)から、今年の3万元(日本円の45万円ぐらい)へと年々増えているそうです。りんごのおかげで、(15)家電製品を買い揃え、この山奥であまり必要でないエアコンも買ったとのことです。どんなテレビ番組が好きですかと尋ねると、りんごなどの栽培技術を教える科学技術普及番組だと、答えてくれました。今年の収入で、買いたいものは、上等の有機肥料や、品質の最もいいりんご用袋などに投資すると、すぐ答えました。ちょっと余談だが、夫婦と20歳の息子さん三人家族で、息子は今(16)青島で勉強しており、夫婦二人で果樹園を管理しているそうです。夕食を作るのはどちらですかと聞くと、大体先に帰るほうが作るとつけ加えました。
取材が終わり、別れようとするとき、張さんは取ったばかりの一番大きく、赤く色づいたりんごを渡してくれました。直径10センチぐらいの赤い富士という品種のりんごです。
来年取材するとき、ぜひ張さんの(17)笑顔をもう一度見たいですね。
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