旧暦の12月に入ると、中国では(1)「」というお粥を食べる慣わしもあります。「」は八種類の宝物のお粥という意味の「八宝粥」とも言いますが、旧暦12月8日に食べるお粥のことです。それに使われる材料は10種類以上で、(2)拘る人は20種類もの食材を使い増す。たとえば、粳米(うるちまい)、(3)もち米、黒米、緑豆、小豆、ナツメ、竜眼、白きくらげ、栗、胡桃の実、干し葡萄、(4)銀杏、蓮の実、サンザシ、実を取った梅、落花生、ゴマ、(5)インゲン豆、サトイモ、氷砂糖などを一緒に入れて、約2時間ぐらい煮込みます。熱く、甘く、柔らかく、滑らかなため、(6)男女老若問わず親しまれています。また、地方によっては、お米に肉類や野菜類を入れて煮込む慣わしもあります。たとえば、にんじん、しいたけ、きくらげ、(7)豚の引き肉、えびに塩などです。
昔から、「旧暦の12月8日にお粥を食べないと、来年はもっと貧しくなる」という言い伝えがあるほど、欠かせない食べものでした。
幼いときは、この日に近づくと、周りの家から香ばしい香りが漂い、そして、母がことことと煮ているお粥の釜を(8)かき混ぜるのを見ながら、いつ食べられるのか、催促したのを、今も覚えています。そして、(9)隣の家と交換して味見した記憶もあります。でも、今は都市部ではほとんどが核家族になっているので、自分で「」を煮込む家庭は少ないようです。スタッフの間では、「レストランでを食べた」という話が交わされています。(10)煮込めば煮込むほどおいしくなるお粥ですが、外食が、今の我が家の第一選択ともなっています。また、スーパーには、これを缶詰めにした八つの宝物のお粥(11)「八宝粥」も売っており、ピクニックや旅行に出るなどの時にも、よく買っています。
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