(1)トンボが放送局の敷地に植えられている桜の木の下を飛び交っています。皆さんの所はいかがでしょうか。
さて、最近話題になっているのは、台湾新党一行の大陸訪問です。今回の新党の訪問の位置づけは、前の国民党の(2)「平和の旅」、親民党の(3)「架け橋の旅」のように、(4)「民族の旅」と名づけています。中国大陸と台湾は同じ中華民族であることを強調しました。この三つの政党の訪問は目的は同じですが、それぞれ特徴のあるテーマを持った訪問であることから、政治家の思惑が伺えました。
私にとって、一番興味を持ったのは、プレゼントの交換でした。新党の郁慕明主席が持ってきたのは、一対の台湾産の焼き物の獅子で、講演先の人民大学が用意したのは、「和合」という中国絵です。
「民族の旅」と位置づけた新党の訪問のスケージュールには、中国の全面的な抗日戦争の引き金となった(5)盧溝橋事件の現場訪問が組まれていました。盧溝橋の両側に石で作られた獅子の彫刻がおよそ500頭飾られています。獅子は中国では家や国家を守ってくれる動物として、よく玄関などに置かれています。盧溝橋はその昔北京の西南部の(6)表玄関として、獅子がいっぱい飾られたわけです。したがって、新党の「民族の旅」の意気込みは、この台湾焼き物の獅子に表されています。
人民大学のプレゼントの(7)「和合」の中国絵も深い意味が込められています。「和合」という絵の構成は、一人の子供は(8)蓮、もう一人の子供は蓋付の(9)入れ物をもっています。「和合」の発音は、蓮と入れ物の語呂合わせになっています。昔から、この絵は縁起のいい絵として、よく家に飾られ、家族が和気藹々で生活し、夫婦はいつも仲良くするようという願いが込められていました。
さらに、今回の絵は、中国有名の画家(10)徐悲鴻さんの息子さんが書いたものです。徐悲鴻さんは抗日戦争中、香港、シンガポール、インドなどで絵を売って、募金し国に寄付しました。徐悲鴻さんの息子さんがこの絵を書いたことも、台湾親党訪問のテーマとぴったり合っているのではないでしょうか。
獅子と和合は、政党間の交流が心に潤いを感じさせました。
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