北京はこのところ時折(1)北よりの風が強く、地面の(2)埃を巻き上げたりしています。枯れ葉、紙くず、ビニール袋も空中に舞い上がり、これは春先の北京の風物誌となっています。オフィスの7階から見ることができる庭には、やっと枯れ草の下から草の芽が見えるようなるこのころ、風が良く吹くシーズンでもあります。今のところ、町は(3)埃ぼくなっていますが、もう少し日日が立ちますと、(4)黄砂が飛ぶようになります。そして黄砂が過ぎますと、北よりの風もなくなり、春の風情を楽しむ間なく、北京は4月末から気温がぐっと上がり、(5)初夏に入ります。ですから、北京の春は、空気が乾燥している上、短くて風が多い季節と言えます。
私にとっては、北京の春は本当に(6)眠い春です。3月15日アパートの暖房が止まりました。外は(7)はるうららかになっていますが、家の中は温度が下がり、冬の暖房に身体が慣らされているためでしょうか、余計に眠く感じます。いくら寝ても睡眠不足の状態になります。会社から帰りのバスで夕日を受けながらつい(8)うとうとしてしまう日が多いです。たまには、(9)乗り越すときもあって困ってしまいます。ですから、北京の春は私の体質に会わない感じで、あまり好きではありません。北京の最高シーズンはなんといっても秋でしょう。
でも、私の春のいい思い出は、日本です。満開の桜はもちろん、気持ち的にのんびりでき、(10)日向ぼっこするのには最高ではないかと思います。ある日、西部新宿線に乗ったら、向かいの(11)線路に別の方向へ向かう電車に修学旅行で帰える途中の小学生たちがいました。児童たちは興奮した目つきで私の乗った電車を眺めていました。かわいいなと思って、私は思わず手を振ってみましたが、子供たちも手を振って応えてくれました。両方の電車とも乗客が少なかったので、しばらく回りに遠慮することなく、手を振り続けていました。あの時、感じた(12)さわやかな空気、(13)暖かい日差し、さらになによりも興奮した子供たちの(14)無邪気な笑顔、だるさを感じさせる北京の(15)春先ですが、それを思い出すとなんとなく元気が蘇ってきます。
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