今月3日から15日まで、全人代の呉邦国委員長はアルジェリアとガボン、エチオピア、マダカスカル、セーシェルの5カ国を公式訪問しました。また、エチオピアの首都アディスアベバにあるアフリカ連合の本部を訪れたほか、中国政府が援助して建設する同連合の会議センターの着工式にも出席しました。

　呉委員長のアフリカ5カ国訪問について、曹衛洲副秘書長は「5カ国との関係は、中国とアフリカ関係の縮図であり、全面的かつ長期的で多様性の特徴を示している。訪問期間中、呉委員長は各国の大統領や議長、首相、AU・アフリカ連合の委員長らとそれぞれ会談した。アフリカ関係の全面的な発展を推進する戦略的な立場から、相互信頼や互恵協力、相互援助の向上などについて突っ込んだ意見交換を行い、幅広い面で共通認識を得た」と、今回の訪問が重要な成果を遂げたことを強調しました。

　さらに「相互信頼を促進する面で、呉委員長は、訪れる国ごとに両国の友好協力関係を積極的に評価した上で、国際情勢がいかに変化しても、中国とアフリカは終始平等に接触し、信頼し続けている。双方が関心を寄せる重大な問題では、相互理解と固い支援を強調した。5カ国の指導者は再度、一つの中国という政策を堅持すると表明し、中国が国際問題で重要な役割を果たしていることを評価した。さらに、中国は信頼できる友人、協力パートナーだとの考えを示した。呉委員長の訪問によりアフリカ各国と中国はより幅広い分野で互恵協力に向けた決心と自信を強めることができた」と強調しました。

　互恵協力の推進について、呉邦国委員長は「アフリカとの経済貿易協力を非常に重視しており、アフリカ諸国の指導者と会談した際には、多くの時間をかけて経済貿易協力の重点分野などについて検討した」と語りました。双方の経済貿易協力の規模が小さいという現状について、呉委員長は「企業の貿易協力の主体としての役割を発揮させ、エネルギー開発、インフラ整備、協力区域の建設など総合的な協力を牽引できる大きなプロジェクトで進展を収めるよう努力すべきだ。また、これらのプロジェクトを双方の協力の新たな成長ポイントにしなければならない」と提言しました。一方、5カ国の指導者たちは「双方の協力プロジェクトの実施を積極的に促していく。より多くの中国企業がエネルギー開発、インフラ整備などに参与することを歓迎する」との考えを表明しました。

　相互支援の水準を高めることについて、呉委員長は「経済力が強まるに伴い、中国側は今後もできる範囲でアフリカを支援していく。支援プロジェクトについては1件ごとに着実に実施して、アフリカ人民に実利を受けさせたい」と述べました。また、アフリカ側が国際金融危機が中国のアフリカへの協力に影響を与えるのではないかと関心を寄せている問題について、呉委員長は中国政府の対応措施を具体的に説明しました。「中国とアフリカの経済貿易協力は新しい環境に直面し、チャレンジもチャンスも見られる。中国側は措施を積極的に講じ、アフリカからの輸入を拡大し、アフリカへの投資を増加し、実力も信用もある中国企業がアフリカに投資することを支持、奨励していく」と語りました。

　議会交流の強化について呉委員長は、中国とアフリカ諸国の議会が日増しに交流と協力を深めてきたことを賞賛するとともに、「中国の全人代は5ヶ国の議会と関係の促進をめぐり、様々なレベルで多様な分野で実務的な協力を行っていきたい」と述べました。一方、5ヶ国の議会の指導者は、呉委員長の意見に賛同した上で、代表団を頻繁に相互派遣して様々な交流を行い、中国の政府管理や法制などの経験を学ぶなど、関係の促進に力を入れていくとの考えを示しました。