ロシアのメドベージェフ大統領は11日、モスクワで訪問中のキューバのペレス外相と会談しました。双方は、両国の各レベルの密接な接触および各分野における協力に満足の意を示すと共に、経済貿易分野の協力関係をさらに深めていくことで見解の一致を見ました。これについて、専門家は「最近、各分野の関係発展が迅速で、ロシア側がキューバをラテンアメリカで最も重要なパートナーとして位置づけている」と分析しています。  

　ペレス外相は五日間にわたってロシアを公式訪問するため、8日モスクワ入りしました。訪問期間中、ペレス外相はロシアのメドベージェフ大統領やプーチン首相、ラブロフ外相らとそれぞれ会談しました。メドベージェフ大統領は会談で、「両国関係が過去10年の中断した状態から抜け出し、今の関係は充実かつ友好的である。キューバはロシアにとって、過去も今後もラテンアメリカでの重要なパートナーである」と述べました。これに対して、ペレス外相は「両国の政治関係は今、非常に良好である」と語ったあと、キューバ指導部の書簡およびメドベージェフ大統領のキューバ訪問の招請状を手渡しました。

　また、この会談で、メドベージェフ大統領はキューバとの経済貿易分野における協力強化の問題に触れました。その中で、メドベージェフ大統領は「ロシアとキューバは今、政治や国際実務における協力を深めている。その一方、両国の経済貿易関係の発展にも力を入れなければならない」との考えを表明しました。

　これに対して、ペレス外相は「現在、経済分野で両国関係を発展させる可能性が現れてきた」と語りました。ロシアマスメディアの報道によりますと、ロシアからキューバへの3億3500万ドルの借款の期限を2010年末まで延期されることになりました。こうした借款は、ロシアの商品および関連のサービスを購入することに使われます。

両国の軍事分野における協力問題について、ロシアのラブロフ外相とペレス外相が会談しました。その中で、ラブロフ外相は「軍事技術面の協力は両国にとって重要である。ロシアは国際義務を尊重する上で、キューバとの軍事技術協力を行う」と述べました。これに対して、ペレス外相は「両国の軍事技術分野における協力は正常である」と語った上、今回の訪問で、両国が軍事技術面に関する協力協定を調印しないことを改めて強調しました。

また、ペレス外相は、ロシアのマスコミの取材を受けた際、「ロシアがアメリカやNATO・北大西洋条約機構の軍事施設に対して相応の措置を講じる権利を持っていることをキューバは認める」と語りましたが、キューバへのミサイル防衛システムの配備やロシア軍事勢力の存在を否認しました。

冷戦時、キューバは旧ソ連にとって、ラテンアメリカ地区の最も重要な同盟国でしたが、旧ソ連が崩壊した後、両国関係が後退しました。ロシアはキューバにおける軍事基地を撤廃しました。ここ数年、国際情勢の変動に伴い、特に北大西洋条約機構の拡張やアメリカの東ヨーロッパへのミサイル防衛システムの配備によってロシアの戦略空間が縮小されました。8月、ロシアとグルジアの衝突が発生してから、ロシアは急いでキューバを含むラテンアメリカ諸国との関係を修復しています。現在まで、ロシアの副首相はキューバを3回訪問しました。ロシアとキューバとの関係が軍事や科学技術、通信、経済貿易などの分野に及んで、全面的に回復しています。