第七回中国国際航空宇宙ショーが4日、中国南部の沿海都市・珠海で開幕しました。今回の航空ショーは初めて、「中国宇宙飛行館」と「中国航空館」のテーマパビリオンに分れて行われ、J-10 型戦闘機を含めた国産新型戦闘機もお目見えしました。中国の主な航空宇宙製品のメーカーは各国と技術協力や航空機買い入れで協定を結ぶ予定です。業界筋は、「中国の航空、宇宙事業の成果を集中的に展示した」ことが、今回の航空ショーのハイライトだとしています。

　このショーは世界五大航空ショーの一つに数えられ、2年置きに開催されています。今回のショーは6日間にわたって開催され、35の国と地区から約600社のメーカーがブースを出しています。彼らが世界最先端の航空宇宙技術の成果と製品を出展し、飛行機の実物だけでも約60機に達しています。

　今回は、中国の宇宙技術の応用、宇宙サービスなどの分野での最新製品と技術が集中的に展示されています。「中国宇宙飛行館」では、宇宙船「神舟七号」の軌道船の予備用実物と帰還船の模型が陳列されています。ミッションに使った軌道船は宇宙に残したままになったため、見学者は予備用の実物から、宇宙飛行士が船内での生活条件や実験環境を知ることができます。このほか、宇宙飛行士翟志剛さんが振っていた国旗や、彼が使用していた耳栓及び船外宇宙服、手袋なども初めて出展されています。

　中国の最も名の知られた航空宇宙企業はいずれもその先端的な製品を出展しています。中国宇宙科学技術集団公司企業文化部のカ可部長は、インタビューで、航空ショーは中国宇宙航空の成果を展示し、市民と双方向の交流をする場だと話しました。カ可部長は、「私たちが今回出展した製品は宇宙航空システム、ミサイル兵器システム、宇宙技術の応用産業と宇宙サービス業の最新成果をカバーしている。今回は、『宇宙レスキュー隊』のコンセプトを出し、国民経済の発展のニーズを満たし、災害予防及び緊急時の救助に当たっている」と語りました。

　航空ショー期間中、中国の主なメーカーは海外の国との技術協力や飛行機の売買について調印する見込みです。中でも注目されるのは、中国の商用飛行機有限責任公司がアメリカのGE社に自前技術によるARJ21-700型新コミューター専用飛行機25機を販売することで、金額は総額50億人民元に達する予定です。中国の民生用飛行機が欧米市場に販売されるのは、今回が初めてです。情報筋は、ARJ飛行機はラインアップの充実に向け、すでに研究開発を始めたとしています。

　中国工業情報化省の関係者はこのほど、自前技術による大型民生用旅客機は2020年に市場に投入される予定だと明らかにしました。中国商用飛行機有限責任公司は中国大型飛行機の研究製造のミッションを引き受けました。当社のセツ利副書記は、現在、大型飛行機の論証と研究は順調に進められていると語っています。セツ利副書記は、「今、300人あまりの研究チームを結成している。大型飛行機の試作はすでに検証の段階に入っています。研究開発に備え、監督委員会も設立しました」と述べました。

　民生用航空製品が今後数年の中国の航空産業の発展目標になっていますが、このほか、日増しに整備される宇宙航空技術の民生用分野への転換も加速されています。今回の航空ショーでは、中国宇宙科学技術グループ公司は中国中部の河南省の炭鉱と石炭化学工業のプロジェクトで調印し、世界レベルの先進技術を駆使し、石炭からクリーンなガス・石油エネルギーを抽出することになっています。このほか、航空宇宙技術はまた風力発電や、太陽エネルギー発電などのプロジェクトでも先導的な役割を発揮しています。

　このほか、今回の航空ショーには、ボーイング、エアバス、ボンバルディアなどの世界大手飛行機メーカーがいずれも新型機や、コンセプト機及び関連製品を出展しました。エアバス社の大型旅客機A380 もインドのアクロバット飛行チームとともに、曲技飛行のショーを行います。このほか、中国の空軍も初めて全面参加し、航空ショーに現役で使用されている先進機16機とパラシュート部隊を派遣しました。