北京で開かれた第7回アジア欧州会議（ASEM）首脳会合は25日閉幕しました。アジアとヨーロッパの協力強化によって金融危機に対応する声明が採択されたほか、食料の安全や災害救助での協力、持続可能な発展、気候変動などの分野で多くの成果を収めました。温家宝首相は会合後、「今会合の成果はアジアとヨーロッパの協力に大きな影響を与えるだろう」と述べました。  

　二日間にわたって開かれた第7回アジア欧州会議の首脳会合は世界が金融危機など重大な問題に直面している中で開かれたことから、アジアやヨーロッパ各国。それに国際社会の強い関心を集めました。10ヵ国の国家元首、26人の政府首脳と地域組織の責任者を含むアジアとヨーロッパの45ヵ国の代表が北京に集まりました。

　会議は24日夜、『国際金融情勢に関する声明』を発表しました。この声明の中で、各国は有効な対策を講じて、当面の金融危機に対応すると同時に、国際通貨と金融体制について有効かつ全面的な改革を行うほか、来月にワシントンで開催する国際金融サミットを支持する方針を明らかにしています。

　温家宝首相は会合後の記者会見で、今回の危機対応ではあらゆる国に「信頼と協力・責任」が必要だとして、次のように述べました。

「信頼というのは、あらゆる国、特に先進国が思い切った対策を早急に講じ、金融市場を安定させることで、信頼を取り戻すことである。第二は、協力。これほど大きな影響を与えている金融危機に対応するには、各国の協力の強化が必要である。責任とは、共通の認識を持った後に、責任を果たすことが非常に重要となる。最も大きなの責任は早急に金融秩序を安定させて、金融リスクを抑制・防止することである」

　このように述べた温家宝首相はさらに、来月にワシントンで開かれる国際金融サミットに参加するとともに、協力と実務的な姿勢をもって、ほかの国々と危機対応策を議論する、との意向も明らかにしました。

　金融危機対策のほか、アジアとヨーロッパの首脳は食料の安全、災害救助での協力、気候変動、異文化との対話などについても議論しました。会合で採択された持続発展に関する『北京宣言』で、各国は国連のミレニアム目標の期限通りの実現を推進し、「共通だが差異のある責任」の原則の下で国際協力を強化し、気候変動とエネルギー安全などの問題に適切に対応して、社会の調和を共に促すことを約束しました。

　EU・欧州委員会のバローゾ議長は「金融危機のほか、われわれは気候変動や発展へのチャレンジ、ミレニアム目標の達成など、グローバルな課題も軽視することはなかった。最も重要なのは持続可能な発展に関する北京宣言であり、そこには、一連の重要な原則が提起されている。それらは壮大な目標であり、気候変動など問題の対応に当たって、指導的な役割を持っている」と述べました。

会合の最後に採択した『議長声明』は、アジアとヨーロッパの加盟国の一連の重大課題での立場を反映しており、会議の今後の方向性と重点分野を示しています。このほか、経済や社会、文化、持続可能な発展など17分野での協力に関する提案もを採択しました。（東）