第104回中国輸出入商品取引会、いわゆる広州貿易商談会が15日、中国南部広東省の省都広州市で開幕しました。取引会に出席した中国商務省の高官は、「世界経済の不振による輸出への影響を防ぎ、輸出企業の利益を守るため、様々な対策を講じていく予定だ」と述べました。

　世界的な金融不安などマイナス要素の影響を受けていながら、商務省など関係方面の努力によって、今回の輸出入商品取引会は、展示面積や出展企業の数はいずれも記録を更新しました。商務省の高虎城次官の話です。

　「新しい情勢の下で、中国輸出入商品取引会は、さらに改革を行い、企業によりよいサービスを提供し、より多くの企業に国際協力を展開できる場を提供していくべきだと思います」

　中国税関総署の統計によりますと、今年の1月から9月まで、対外貿易の輸出入総額は1兆9000億ドルを超え、去年同期より25.2％増えたということです。今の経済情勢および輸出はほぼ安定していますが、金融危機の蔓延と欧米諸国の消費需要の減少にしたがって、中国の輸出は必ず影響されるに違いありません。

　中国商務省対外貿易局の文仲亮副局長は、中国企業は今後の危機に対応するため、世界で新しい市場を切り開くべきだと見ています。文仲亮副局長は「世界金融危機は欧米など先進国への影響が大きいが、新興国への影響は比較的小さい。このため、先進国の市場需要が低迷している情況の下で、中国企業は新興の国々に目を移していくべきだ」と指摘しました。文仲亮副局長の話です。

　「現在、世界的な経済不振の各市場での表れ方には格差があります。欧米市場では一番著しいです。ですから、新興の市場を切り開くことができます。たとえば、アフリカや南アメリカ、南アジアなどこれらの市場には相当の潜在力があります。」

　このほか、外部環境などの影響を受けて、加工貿易など付加価値の低い企業は低迷していますが、製品の付加価値が高く、技術力の高い企業はそれほど影響されていません。このため、中国商務省は企業の構造調整と製造業のグレードアップを推し進め、製造業の品質向上を図っています。高虎城商務次官は次のように語っています。

　「高付加価値で、自主的な知的所有権を持ったブランドを出さなければなりません。それを通じて、オリジナルの高付加価値製品の輸出を推進していきます。」

　今回の輸出入商品取引会は11月6日まで開かれますが、中国商務省はその場でリサーチを行い、貿易企業と共に世界経済不振による輸出低迷対策を討議します。