旧ソ連諸国で構成するCIS・独立国家共同体は10日、キルギスの首都ビシケクで首脳会議を開きました。しかし、グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン3カ国が欠席し、これまでで最も参加国の少ない会議となりました。この3カ国はいずれもロシアの影響から離脱しようとする機構「GUAM」のメンバーであるため、国際社会ではCISの将来について注目が高まっています。
国際社会では、CISは分裂するとの見方が広がっています。ロシアの影響から離脱を求めてグルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバの4カ国が「GUAM」という機構を結成したことや、グルジアがCISからの脱退を宣言したこと、それにウクライナのユーシェンコ大統領がグルジアに続きCISから脱退すると表明したことなどから、CISの内部では親欧米路線を取る国がロシアの影響から離脱しようとしていると見られます。今回の首脳会議で「GUAM」加盟の3カ国が欠席したことは、CISにとって崩壊のかげりとなるとも言われています。さらに、5年後にはCISはまだ存在しているかどうかと懸念する声もありました。
その一方で、CIS加盟諸国は経済、エネルギー、安全などの分野でまだまだロシアを必要としていると言われています。とくに世界的に金融危機が広がっている今、加盟諸国はCISの枠内における経済協力を期待しています。それと同時に、ロシアは、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)からの圧力に対処し、戦略的利益を確保するため、周辺諸国との協力を求めています。したがって、CISはこれから長期にわたって生存の基礎が保たれているといえるでしょう。
今回の首脳会議の結果から見れば、加盟諸国はCISの一体化プロセスを加速しようとしています。会議では、政治、経済、安全など各分野にわたるおよそ20の協力文書が締結され、また、金融危機に対応するため、財務相クラスの作業グループの設置が合意されました。そして、来年の協力についてエネルギー協力を重点と決めました。
グルジアが離脱を宣言し、ウクライナも遠ざかろうとしているものの、ロシアの重要な位置と加盟諸国とロシアの依存関係を考えれば、CISは今後も発展していくと見られます。また、経済のグローバル化と地域化が進むに従い、CIS加盟国間の経済の連携がより緊密なものになります。したがって、CISが団結力を保ち、それを強めていくには、経済的な要素がますます重要な役割を果たしていくということです。(翻訳:鵬)
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