2日は、アメリカ、イギリス、中国、ロシア、フランスとドイツ6カ国のイラン核問題をめぐる協議再開についてイラン側が返答する最終期限でした。しかし、EU・欧州連合のある責任者はこの日、「ソラナ上級代表のところにはイランからの返事が届いていなかったが、EUはしばらく待ちたい」と明らかにしました。
ソラナ上級代表とイランのジャリリ最高安全保障委員会事務局長は7月19日ジュネーブで会談しました。6カ国の高級外交官もそれに参加しました。会談の後、ソラナ上級代表は「イランは、6カ国の協議再開案を受け入れるかどうかを明確に返事しなかった。イランがこれからの2週間で明確な返事を出すことを希望する」と述べました。
しかし、モッタキ外相は7月30日、テヘランで行われた第15回非同盟閣僚級会議の後、「イランは、核問題の返答について最終期限を設定していない」と述べました。
イランの態度に対して、アメリカホワイハウスは1日「イランは、最終期限に従って明確な返答を出さないと、さらに多くの制裁を加える」と発表しました。同じ日、イスラエルのモファズ副首相はワシントンで「西側諸国はイランに現在の予定に従わせなければならない」と述べた上で、イランに圧力をかけるよう各国政府を促しました。
イランのソルタニエIAEA・国際原子力機関常駐代表は2日、イランメディアの取材を受けた際、「この前、イランはEUといわゆる最終期限について討議したこともないし、期限の設定にも同意していなかった。イランは、核問題について西側諸国と協議を行いたい。西側諸国は協議に最終期限を設定すべきではない。アメリカは一方的にイランの核技術の平和利用の権利を制限しているが、その同盟のイスラエルの核兵器計画に便宜を提供したり、『核不拡散条約』に調印していないインドと核エネルギー協力を行ったりする。アメリカの行為は『核不拡散条約』の関連項目と精神に背いた」とアメリカの2重基準を批判しました。
同じ日、ドイツのシュタインマイヤー外相は週刊誌「デア・シュピーゲル」のインタビューに答えた際、「イランは6カ国の最終期限について軽率に対処しないでほしい。イランができるだけ早く明確に返答することを希望する」と述べました。
専門家は「EUはイランが当初設定した最終期限を厳格に遵守することに着眼しておらず、むしろ延期の後にイランが具体的で実際の返答を出すかどうかに関心を持っている。今後、各方面はそれに基づいて交渉を行うことができる。交渉が続けられるか、イランはさらに厳しい制裁を受けるか、またイランの今後の動き次第である」としています。
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