アメリカ民主党の大統領候補であるバラク・オバマ上院議員は現地時間19日アフガニスタンを訪問し、20日、カブールでカルザイ大統領と会談しました。
その中で双方は、アフガンとその周辺地域の情勢、テロ対策、麻薬取締り、経済復興、両国の経済と安全保障協力について意見を交換しました。
オバマ上院議員はまた、現地駐在のアメリカ外交官や軍将兵と面会し、治安情勢などについて聞き取りを行いました。
アフガニスタン政府筋によりますと、オバマ議員は「民主党と共和党はいずれもアフガンにおけるアメリカ軍の長期駐留とアフガンへの長期にわたる支援を支持する。次期大統領に当選すれば、アフガン政府への支持と対テロ戦争を継続していく」との姿勢を示しました。
オバマ議員は「同行のバーゲル上院議員とリード上院議員は私同様、アフガン政府への支援拡大をブッシュ政権とNATOに期待している。アフガン政府は国民の生活改善により多くの努力を払うべきである。また、パキスタンとの国境地帯で活動しているテロリストの一掃でブッシュ政権はパキスタン政府への支援も続けるべきである」との態度を表明しました。
今回の中東・欧州歴訪はオバマ上院議員が民主党の大統領候補になって初めての外遊となりました。
次の訪問先はイラクで、その後も、ヨルダン、イスラエル、ドイツ、フランス、イギリスを歴訪する予定です。
オバマ議員は今回の中東・欧州歴訪を通じて、共和党大統領候補のマケイン上院議員の陣営に指摘されている"外交と安全保障での経験不足"というイメージを払拭し、大統領となる準備ができていることを内外にアピールする狙いがあります。
これまでオバマ議員は「アフガニスタンは対テロ戦争の主戦場であり、旧支配勢力タリバンと国際テロ組織アルカイダの活動が再燃している。アメリカはテロ対策の視線をイラクからアフガンに移動させ、アフガンへの部隊増派を決断すべきである。イラク戦争は9・11同時テロを犯したテロリストへ向けられた人々の視線を逸らし、アメリカの対テロ戦争を妨害するものである」との立場を明らかにしています。
アメリカ国内ではイラク戦争に反対する人が増えている一方、国民の50%以上はアフガニスタンでのアメリカ軍駐留を支持し、「タリバンとアルカイダを制圧しなければ対テロ戦争には勝利できない」との意見をもっています。
イラク戦争で見解が異なったオバマ議員と共和党大統領候補のマケイン上院議員はアフガン問題で似通った立場を取っています。
大統領候補として両氏はいずれも、イラクからアフガンへの部隊移動、アフガンとの密接な盟友関係と支援拡大を主張しています。
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