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インドとパキスタンは18日、パキスタンの首都イスラマバードで活動グループ会議を開きました。好ましい政治的雰囲気が欠ける状況の下で、この会議が順調に開かれたことは、インドとパキスタン双方がいずれも和平プロセスを推し進める誠意を表し、これはまもなく開かれる5回目の全面的対話の基盤になるものと見られています。
パキスタン外務省のチョードリー南アジア局局長とインドのラガワン外交担当官は、それぞれ代表団を率いてこの会議に出席しました。会議で双方は、カシミール地方の実効支配線両側の相互信頼のための具体的措置の実施とこの実効支配線両側の人的往来、貿易と、交通を推し進めることなどについて、話し合いました。会議後発表した『共同声明』は、「会議は熱烈かつ建設的な雰囲気で進められた」と述べました。
同じ日、パキスタンのムクタール貿易商業相は内閣特別会議で、「インドはすでにパキスタンの重要な経済パートナーになった。インドとの貿易往来は、パキスタンに利益をもたらす」と述べました。
これについて専門家は、双方が貿易制限を解除すれば、貿易額は60億ドルに上ると見ています。会議開催中にムクタール貿易商業相の上の表示は、インド側に建設的シグナルと発したことになるのです。
世論はこのことについて、今回のグループ会議は5回目の全面対話の前置きであり、しかも会期はわずか1日だが、今のような政治的雰囲気の下でこのような結果がでたのは、双方の和平プロセスを推し進める誠意の表れだとしています。その象徴的な意義は実際の意義より大きいといえましょう。
アフガニスタンにあるインド大使館で自爆テロが発生した後、インドはこれはパキスタンとかかわりがあるとし、アフガニスタンのカルザイ大統領も「事件の背後には外国の工作活動がある」とパキスタン軍情報機関のこれへの関与を指摘しました。これに対しパキスタン側は、事件への関与を否定しましたが、この事件はインドとパキスタンとの和平交渉に悪影響を与えたに違いがありません。また、ここ数ヶ月、双方とも、相手側が挑発的な軍事行動に踏み込んだと非難しあっています。更に、インド国内の情勢も不安定です。インド議会は21日特別会議を開き、インド国民会議がリードする政府への信任投票を行っています。
ところで、2004年の初めにパキスタンとインドが全面的な対話を始めて以来、途中で幾たびも問題が起きていますが、これまで何回も交渉を行いました。去年10月に開かれた4回目の全面対話では、カシミール問題を含む8つの問題について話し合いましたが、実質的な食い違いは解決していません。そして去年の末、パキスタン情勢が悪化してから、この全面的な対話は中断しました。しかし、今年5月、インドのムカルジー外相は、イスラマバード入りし、双方はこれまでの4回の対話を振り返った上で、閣僚級対話の再開を決めました。また6月のパキスタン新政府の成立後に、パキスタンのクレシ外相は、新政府の高官として始めてインドを訪問しましたが、これは5回目の全面対話の再開と両国関係の促進にプラスとなると評価されました。
パキスタンの国営通信社APPによりますと、パキスタンのベシア外交担当官が、7月20日にニューデーリー入りし、21日に開かれる5回目の全面対話に参加するということです。この対話が順調に開催できれば、インドとパキスタンの和平プロセスは、重要な一歩を踏み出すことができるでしょう。
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