大型旅客機の研究開発や製造を担当する中国商用航空機有限公司が11日、上海で正式に設立されました。これは中国における大型旅客機の研究開発が製造段階に入ったことを意味しています。温家宝首相は「大型旅客機の研究開発は中国のハイテクレベルを全面的かつ大幅に向上させることになる」と述べました。
去年、大型旅客機の研究開発プロジェクトが中国国務院に正式に批准されました。中国が今後研究開発する大型旅客機は150人以上が搭乗できる主要路線の旅客機で、現在の民間航空が使用している主力機種です。現在、世界ではアメリカなどいくつかの国が大型旅客機を製造していますが、そのうち、国際市場に参入しているのはアメリカのボーイング社とヨーロッパのエアバス社だけです。
11日に行われた中国商用航空機有限公司設立大会において、張特江副首相は「中国が大型旅客機の研究開発に力を入れるのは中国の旅客機輸送市場から大きな需要があるためである。このことがさらに、関連産業の発展を推し進めることを期待している」とした上で 「中国商用航空機有限公司は自力で技術革新を行い、鍵となる開発技術の制約を突破し、計画通りに大型旅客機の研究開発を実施する。また、新しい技術や材料を導入し、大型旅客機の安全性、快適性それに環境面への配慮などを確保する」と述べました。
中国商用航空機有限公司の登録資本金は190億人民元で、中国国務院の国有資産監督管理委員会や中国航空工業第一集団公司それに中国アルミニウム業公司、など7社が株式参入しています。取締役を担当する張慶偉氏は中国有人宇宙飛行プロジェクトや探測プロジェクトに参加するなど、宇宙飛行分野で豊かな経験を持っています。
張慶偉取締役は当日の設立大会で挨拶し 「われわれは大型旅客機の研究開発の需要に応じ、機体全体の設計など四つの分野において、鍵となる技術20項目あまりを開発する」と述べました。
また、同社の金壮龍総経理も当日、海外同業者との協力開発に歓迎の意を表しました。
「われわれはわが国が有する航空資源を活かすと同時に、開放政策を実施し、国際協力を積極的に行う。今後、航空機の研究開発を進める中、搭載、部品生産などの分野で多くの海外企業が参与してくるだろう。世界の優れた人材がわが国の民間機発展事業に参加してくれることを歓迎している」と述べました。
金壮龍総経理はまた「中国の大型旅客機がいつ青空を飛ぶことになるか、まだ具体的な計画は立てられないが、将来、大型旅客機の製造に成功しても、ボーイング社とエアバス社にとって脅威にはならない」と述べました。
|