今年に入って以来、国際市場でコメの価格が急騰し、一部の国家ではパニックが起きて、住民は買い溜めに走り、社会の動揺を招いています。
これを受け、東南アジア諸国はコメの主要輸出地として対応を取っています。
世界最大のコメ輸出国タイは今年1月から4月までに、407万トンを輸出しました。これは去年の同じ時期より74%増となります。
サマック首相は4日バンコクで「世界全体が食糧不足の課題に直面している中、タイはコメの輸出禁止策を取ることはない」と明言しました。
タイ商務省は「今年のコメ輸出量は国際市場の50%を超えるだろう」との予測を発表しています。
また、国内市場の不安を解消させるため、タイ政府は先月29日の閣議で、政府備蓄のコメ210万トンを市場に放出し、小売価格より15%安く販売することを決定しました。
世界第2のコメ輸出国であるベトナムでは自然災害で収穫量が減少し、一部の都市ではコメの買いだめ騒ぎが発生しました。
これに対し、政府は価格つり上げる行為をしている販売業者に対して警告すると共に、コメの備蓄は十分で内外の需要も満たすことができると発表しました。
コメ輸入国のフィリピンは去年187万トンを輸入し、今年はすでに160万トンの輸入契約を結んでおり、さらに、67万5000トンの輸入入札を行っています。
フィリピン農業省によりますと、1ヘクタール当たり5トンの平均収穫量と2011年におけるコメの自給自足を目指して、マニラに本部を置く国際水稲研究所と協力しています。
また、コメの輸出国カンボジアは「コメの価格急騰は価格のつり上げを誘発し、世界各国にとっても不利である。われわれはコメの急騰を抑制する義務があり、『コメ輸出国機構』の創設を支持し、食糧危機の深刻化を防がなければならない」との立場を表明しています。
先月30日、タイのサマック首相はコメ輸出国のタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー5カ国が『コメ輸出国機構』を創設し、国際市場価格に合同で対処していく構想を打ち出しました。
さらに、アジア開発銀行は「パニックと買いだめは食糧価格の急騰を深刻化させた。食品の低価格時代は終焉を迎えている」と警告しています。
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