大雨や大雪の悪天候により、石炭、電力、石油の供給や輸送が大きな影響を受けています。これに対応するため、中国国務院は27日、これらの供給と輸送の安全を確保するため、全国テレビ会議を開きました。温家宝首相は席上、「石炭、電力と石油の供給と輸送の安全を確保することに力を入れなければならない。現在、中国の関係部門は対策を積極的に講じている」と述べました。
ここ数日間、中国の中部、東部及び南部の地域は、ここ30年来最大の低温気候災害を受けました。これにより、石炭や石油、電力の供給がひっ迫しています。
気象情報によりますと、このような悪天候はしばらく続く見通しだということです。中国の交通省、鉄道省などの関係部門はいずれも、石炭や石油などの重要な物資の輸送の安全確保に全力を尽くすと表明しました。
中国中部の江西省は、大きな被害を受けましたが、江西省交通局の胡リン副局長は、地元の災害復旧活動について、「江西省は今、あらゆる高速道路に対して緊急の復旧作業を行っている。現在、警察官や消防士など、数千人を出動させている」と述べました。
中国交通省はこのほど、全国緊急テレビ会議を開き、重点的な幹線の輸送を確保するよう、各地の交通部門に要請しました。電力や石炭などの供給不足に直面して、交通省は外国への輸出のための輸送を一時停止しました。中国交通省道路局の戴東昌局長は、「必要があれば、国際航空路線の輸送能力を国内の石炭と電力の輸送に使う」と述べた上で、「港などでは、これらの物資の輸送作業を最優先しなければならない。輸送機関の停滞による電力不足は絶対に許さない」と語りました。
また、中国鉄道省もこのほど、電力用石炭の輸送確保に関する緊急指示を出しました。統計によりますと、1月1日から25日までの間、鉄道による電力用石炭の1日の輸送量は30万トン余りに達し、これは去年の同じ時期より16%増え、史上最高となったということです。
また、中国国家発展改革委員会経済運行局の朱宏任副局長は28日の記者会見で、「電力不足の下で、人々の利益を重視する基本原則に基づいて、民生用電力の供給を優先しなければならない。また、公共利益や国の安全保障に関する電力の使用も優先すべきだ。エネルギー消費が高く、汚染の大きな企業の電力使用を厳しく制限しなければならない」と強調しました。
中国気象局によりますと、これからの1週間、中国の中部と東部地域では、雨や雪が続く見通しだということです。気象局は、既に中国南部の湖南省や貴州省に作業チームを派遣し、災害防止活動を展開しています。そして、より正確な気象情報を伝えるため、中国気象局は、全国の観測所のほか、衛星やレーダーなどの先端技術を活用し、災害による影響と被害予測を発表することになっています。
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