最近、中国の多くの地区は気温が下がり、多くの省が暴雨や暴雪などに見舞われ、地元住民の生活にも大きな影響が出ています。各地の政府はこの悪天候に対応して、被災者の避難などを勧めています。温家宝首相は「最近の気候変動によってもたらされた災害に備えを強化し、被災者の困難と生活問題を着実に解決するよう」要求しています。
長距離バスの旅客・陳さんは上海から安徽省へ向う途中に大雪に見舞われ、上海のバス駅で一日中待たされました。
1月12日から、激しい寒波に襲われ、中国の多くの地区の気温が急に下がり、10以上の省で連日、暴雨や暴雪が降り続きました。これにより、道路や鉄道、航空などの交通ネットワークが大きな影響を受け、多くの旅客が途中に滞在せざるを得ませんでした。また、農業牧畜業や住民の生活にも大きな被害がありました。中国中部にある湖北省は1999年以来最大の暴雪に見舞われ、被災者が680万人となり、47万ヘクタールにわたる農作物が被害を受けました。
災害発生後、中国各地は迅速に災害緊急対応案を発動し、被災地の状況を調べ、被災者を安全な場所に避難させる人道的措置を講じています。例えば、湖北省の中心地・武漢市は400万キロの野菜を調達し、市場の野菜供給の確保に努めています。
そして、鉄道と道路の関連部門は輸送を確保するため、様々な措置を講じています。上海長距離バスステーションの張永斌駅長は「夜ここで滞在する旅客に食事と宿泊の便宜を提供している」と紹介しました。
中国各地の長距離バスステーション、列車の駅や空港などでは、滞在を余儀なくされた乗客に、乗車料金の払い戻し、乗り換えなどの手続きを簡略化するほか、ほかの交通機関を利用するための便宜を与えています。例えば、江蘇省の省都・南京市の長距離バスステーションでは、駅員が南京大学に留学中の2人のアメリカ人に対し、大雪でキャンセルされたバス料金の払い戻しとチンタオ行きの航空券の購入を手伝いました。留学生のマークさんは駅員のサービスに十分満足しています。
マークさんは、「駅員に手伝ってもらって、本当にありがたいです。我々は外国人ですから、交通渋滞の時にどうすればいいか分からないので、本当に助かりました。」と話しました。
ところで、中央気象局の孫軍首席予報士によると、今回の低温と大雪の降る天気がしばらく続くそうで、一部の地域は暴風雪に見舞われるそうです。
孫軍氏は、「これからの天気状況から見れば、今日から24日にかけて、一部の地域では曇りと雪の降る天気が続くが、降水量が徐々に減っていく。だが、これらの地域では、日照時間が短くて、低温が続くため、雪がすぐには溶けないことから、交通渋滞はまだ緩和されないだろう」と分析しています。
温家宝首相はこのほど、地方政府に、低温と雪に注意し、住民の生活を把握して、その対応策を直ちに練るとともに、重大な事故を防ぐため力を入れるよう求めました。国務院緊急事態対応弁公室も、地方政府に、緊急対応策を実施し、住民の正常な生活と生産を確保した上で、被災地の救助や農業、牧畜業の生産維持に力を注ぐよう求めました。
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