イスラエルとパレスチナの2つの国家の共存を目指す中東和平国際会議が27日、ワシントン郊外のアナポリスで開催されます。
パレスチナ自治政府のアッバス議長、イスラエルのオルメルト首相とリブニ外相は24日と25日、ワシントンに到着し、26日、ブッシュ大統領と会談します。
2009年1月の任期満了を控え、イラク問題の難局に直面しているブッシュ大統領は、中東和平交渉の再開に力を入れています。
これまで、イスラエルとパレスチナによる紛争の最重要課題をめぐる協議ができなかったため、今回の会議では双方による「共同文書」の作成に努力します。
しかし、イスラエルとパレスチナ双方はいずれも柔軟な姿勢を見せておらず、アメリカのライス国務長官は25日まで双方の要人と協議し、シャトル外交を行ってきました。
中東和平交渉の関係国と機関は「会議による大きな進展は困難だ」と見ています。
イスラエルとパレスチナ双方は「共同文書の作成より、実質的な協議の開始の方が重要である」としています。
国際問題研究者は「今回の会議には多くの関係国や機関が参加する。イスラエルとパレスチナ双方は約7年間停滞してきた和平交渉を再開した。これは進展である」としました。
アラブ連盟は23日、外相会合を開き、中東和平会議への参加を決めました。
また、参加の態度を留保していたシリアは25日、「メクダド外務次官が率いる代表団を派遣する。参加する理由は1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領したゴラン高原の返還問題が議題に含まれることになったからだ」と発表しました。
中東和平国際会議の開催を控え、テロ攻撃を想定してエルサレムの警察は25日から、市内の車両検査を実施し、イスラエル軍は厳重な警備体制を敷いています。
今回の中東和平国際会議には40以上の国と機関が参加し、世界の注目を集めています。
しかし、イスラエルとパレスチナ双方の国民は今回の会議を楽観視していません。
イスラエルの世論調査機関ダハフ研究所が行った調査によりますと、国民の70%が中東和平会議の開催を支持し、一方、71%の国民が会議による和平への進展は期待できないだろうと答えています。
また、パレスチナ世論調査センターによりますと、67.5%のパレスチナ人が会議の開催を支持する一方、54.4%が会議の失敗とそれに伴う治安の悪化を憂慮しています。 (ジョウ)
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