朝鮮のキム・ヨンイル首相が今月27日から30日までベトナムに対する公式訪問を行いました。
また、今月中旬にはベトナム共産党のノン・ドク・マイン書記長が朝鮮を公式訪問しています。
この10月に行われた朝鮮とベトナム指導者の相互訪問は停滞していた両国関係の回復と協力の進展を示しています。
ベトナム訪問期間中、キム・ヨンイル首相はグエン・タン・ズン首相と会談し、ノン・ドク・マイン共産党書記長、グエン・ミン・チェット国家主席と会見しました。
会談で両国首相は協力強化に向け、強い願望を表しました。
キム・ヨンイル首相は「朝鮮はベトナムとの友好関係発展を非常に重視し、ベトナムの経済開放政策を参考にして両国間の経済協力を促進する」と述べた上で、朝鮮半島南北関係の改善を支持し、朝鮮とASEAN諸国との関係を促進するようベトナムに要望しました。
これに対し、グエン・タン・ズン首相は「ベトナムは朝鮮半島の自主平和統一を支持し、半島情勢の新しい進展と6カ国協議の成果および今月上旬の第2次南北首脳会談を高く評価する。ベトナムは朝鮮との全面的な協力関係の発展を目指し、両国の国民に福祉を与え、域内と世界の平和、安定、協力と発展を擁護するため積極的に努力していく」と述べました。
また、両首相は関係促進の具体的措置として文化、スポーツ、科学技術、農業科学技術の協力を推進する覚書を調印しました。
朝鮮とベトナムは1950年1月、国交を樹立しましたが、1979年、ベトナムはカンボジアに侵攻し、朝鮮は非難声明を発表しました。そして1992年12月、ベトナムは韓国と国交を樹立しました。
2000年以来、朝鮮とベトナムの関係には改善が見られ、ベトナムは朝鮮へのコメ支援を行い、ハイレベル訪問も行われています。
2001年7月、キム・ヨンナム最高人民会議常任委員長がベトナムを訪問し、翌2002年にはチャン・ドク・ルオン国家主席が朝鮮を訪問しました。これにより、両国の関係回復が実現しました。
今年に入って、朝鮮は様々な活動を行い、1957年のホー・チ・ミン国家主席の朝鮮訪問を記念するイベントも実施しました。
また、キム・ジョンイル総書記の招きに応じ、ノン・ドク・マイン書記長は朝鮮への公式訪問を行いました。
ベトナム共産党指導者として50年ぶりの朝鮮訪問は大きな意義があり、キム・ジョンイル総書記は盛大な歓迎式を催し、個別会談も実施しました。
国際問題研究者は「朝鮮とベトナムはいずれもアメリカと戦争した経験を持っている。ベトナムはアメリカとの関係改善を実現した。朝鮮はベトナムの経済開放政策を参考にし、アメリカへの対応も模索していく意向がある」としています。
|