鳥インフルエンザウイルスが妊婦から胎児に感染し得ることが、中国の科学者の研究でわかった。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
北京大学基礎医学院院長の顧江教授(病理学部主任)の研究チームは、鳥インフルエンザで死亡した遺体2体を2年近く研究。鳥インフルエンザウイルスが肺のほか、気管、消化管、大脳のニューロンなど多くの器官の細胞にまで広がっていることを発見した。この発見は、鳥インフルエンザウイルスが肺だけに存在するとしてきたこれまでの通説を覆すものだ。
もう1つ注目すべき重要な点は、遺体の1つが24歳の妊婦のものだったことだ。研究チームは妊婦の胎盤と胎児の肺からもウイルスの存在を確認した。これは、鳥インフルエンザウイルスが胎盤のフィルターをすり抜けて胎児にも感染することを意味する。一方、通常のインフルエンザウイルスは胎盤でブロックされる。妊婦から胎児への感染は、ウイルスが呼吸だけでなく血液を通しても侵入することを証明している。
これまでの研究では鳥インフルエンザウイルスの人から人への感染の確たる証拠が見出せなかったことから、人から人への感染はないと見られてきた。
「人民網日本語版」
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