3年あまりを経て、中国の北京首都国際空港の拡張工事がついに、最終段階に入りました。拡張工事が完成すれば、首都空港は、年間8000万人の旅客が利用する国際ハブ空港に生まれ変わる予定です。また、2008年北京オリンピックの際は、よりよいサービスの提供が期待されています。
北京首都国際空港は、中国トップクラスの国際空港の一つです。現在2本の平行滑走路と2つのターミナルがあり、年間旅客取扱量は延べ3500万人です。しかしここ数年、首都空港の利用者数が急増していることから、2008年北京オリンピックを前に、2004年8月から拡張工事を行われていました。
首都空港拡張工事指揮本部の総指揮である朱静遠チーフデザイナーは、「工事が完成すれば、1年に旅客取扱量は凡そ8000万人に達する見込みだ。世界でもトップレベルの空港となるだろう。拡張工事は年末に完成する予定だ」と述べました。
新しいターミナルの敷地面積は90万平方メートルで、駐機場が13箇所増設されます。さらに、長さ3800メートル、幅60メートルの新しい滑走路も作られます。今回の拡張工事は、規模が大きいだけでなく、国際的な先進技術を導入しています。
また、どの空港でも、旅客が荷物を持って空港内を移動しなければ、不便さは共通の問題です。この問題を解決するため、首都空港でも、荷物速達システムと安全情報システムを導入しました。
朱静遠チーフデザイナーは、「新しいターミナルは非常に広いため、快速輸送システムなどを導入した。また、乗り換え客のため、エレベーターやエスカレーターを設置した。このほか、各方面で、工夫を凝らしている。例えば、障害者に配慮して、トイレは全部、男女共用にした。介護者が異性の場合、トイレが男女別だと、非常に不便だからである」と話しました。
また、新しいターミナルには、祈祷室が2箇所設けられ、この中で祈祷を行うことができます。こうした設備は、中国の空港では初めてです。北京首都空港株式有限公司ターミナル東区管理部の責任者・韋華偉さんは、「従来のターミナルには、祈祷室はなかった。しかし、祈祷の時間になると、必ずある方向に向かって祈らなければならない宗教もある。私たちはこれを考慮して、3号ターミナルに祈祷室を完備した。祈祷室には、絨毯や聖水など、祈祷の際、必要な物品が用意されている」と語りました。
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