ロシアの戦闘機が19日、空母「アドミラル・クズネツォフ」からの離着陸を再開しました。これに先立って、戦略ミサイル爆撃機や護衛戦闘機、空中給油機を含む14機の戦闘機がすでにパトロール飛行を始めています。ロシアの遠距離戦略戦闘機がパトロール飛行を行うのは実に15年ぶりです。
ロシア国営テレビによりますと、パトロール再開については、プーチン大統領が17日、チェリヤビンスク州のチェバルクル演習場で行われた上海協力機構の反テロ合同軍事演習後に発表しています。プーチン大統領はその中で、「17日、ロシアの戦闘機は約20時間飛行し、空中給油や海軍との協力行動を取った。ロシアは1992年、一方的に、戦略爆撃機の常時パトロール飛行を中止した。しかし、あらゆる国がロシアのように相応な措置を取らなかったことは、ロシアの国家安全に脅威となった。そのため、常時パトロール飛行の再開を決定した」と述べた上、他の国がこれを理解するよう呼びかけました。
7月9日、ロシア海軍のウラジミール・マソリン総司令官は「ロシアはすでに、90億ルブール余り(1ドル約26ルブール)を拠出し、カムチャッカで新型原子力潜水艦基地を建設するほか、今後、空母の配備のため、水上艦艇基地建設に巨額の資金を支出する計画だ」と述べました。
関連データによりますと、現在、ロシアの戦略空軍は80機の遠距離爆撃機を所有しています。そのうち、大部分は旧ソ連時代のもので、核兵器を搭載することができます。
最近、ロシアは相次いで、国力や軍事力を示す行動を取りました。2日、ロシア科学調査隊は深海潜水器に乗って、北極点から4000メートルも深い北氷洋の海底に潜り、チタン合金で作ったロシアの国旗を立てました。また、17日には、11機のロシア軍用機がノルウェー西部で軍事演習を行いました。これは1990年代の初め以降、ロシアがノルウェー海上空で行った最大規模の軍事演習です。このほか、最近、ロシア各地でも大規模な軍事演習が行われています。規模・内容とも、旧ソ連解体後最大規模のものです。
分析者は、ロシア戦略攻撃機が常時パトロール飛行を再開したことについて、次のような理由があると見ています。
一つ目の理由は、外部にその実力と決意を示すためです。今年に入ってから、アメリカはロシアの反対を無視して、東ヨーロッパでミサイル防衛システムを配備しました。これにより、米ロ関係は日増しに緊張しています。ロシアは、相手に対抗する戦略的実力を持っていることを示すだけではなく、慎重に物事を行うようアメリカやNATO・北大西洋条約機構に警告を出しているのです。二つ目の理由は、ここ数年、ロシア経済が大いに発展し、政治も安定しているから、アメリカや西側諸国と対抗できるようになったからです。3つ目の理由は、まもなく大統領選が挙行われるからです。西側に対する強固な態度を通じて、大国・ロシアの地位を回復する決意を示すことにより、庶民とエリート階層の団結を強め、選挙のための準備を行っているのです。
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