中国の抗日戦争の時期の版画運動に関する研究書、『中国抗日戦争時期 新興版画史の研究』が8月1日、日本の研文出版から刊行されます。
この本は、東京にある中国版画の研究グループ・「日中藝術研究会」が8年間かけて研究した成果を集大成したものです。720ページの中に、400点の図版が掲載され、また、新興版画関連の重要な歴史文献を中国語でも集録し、解題を付けたほか、民国時期の木刻関連記事と作品のデータベースも掲載しています。
この本は綿密な資料により、中国の民国時期における版画は、歴史、文学、美術、出版・印刷、社会などの諸分野を横断し、学際性に富んだ媒体だったことを実証したもので、新興版画が新中国の美術に与えた影響を詳しく描き出しています。民国時期、とりわけ、1930年代から1940年代の中国社会を考察する上で、この本は貴重な価値があると見られています。
著者の一人である三山陵さんは、「原資料から考察した版画運動は、今まで語られていたものとは違った多様性がある。読者は資料を読んで、自分で事実を確かめられ、歴史の中での『ドラマ』が見える」とし、この本は「この分野では類を見ない歴史資料に即した研究で、費した時間と労力に裏打ちされ、緻密な実証性を伴っている」と話しました。(王小燕)
|