一部のメディアが報道したパナマで起きた医薬品中毒事件と中国製練り歯磨きにジエチレングリコールが混入した事件に対して、中国政府は、5月31日、調査結果を発表し、「中国の食品安全、特に、輸出食品の安全は確保できる」と述べました。

　中国から輸入している2種類の練り歯磨きに、ジエチレングリコールの成分が表示されている。現地の関連規定によって、歯磨きの中に、この成分の使用が禁じられているため、この2種類の製品の販売禁止を命令したと、パナマは、中国の関連部門に連絡しました。その後、一部の国も同じような行動をとりました。

　中国国家品質管理検疫総局の魏伝忠副局長は、31日、記者会見で、「中国国内では、練り歯磨きにジエチレングリコールを使ってはいけないとの規定はない。中国の研究によって、ジエチレングリコール成分が15.6%以下なら、長期的に使用しても健康にマイナスな影響がでない。これまでの資料で、中毒事件は起きていない。パナマとその他の国は、科学的な態度で、中国製品を正しく取り扱い、この問題を適当に対応してほしい」と語りました。

　魏伝忠副局長は、その際、消費者の健康を維持するため、中国政府は、今後、練り歯磨き製品にあるジエチレングリコールの使用への管理を強化し、3つの具体的な措置をとります。

　「まず、歯磨きの使用基準を作る。企業に対して厳しく管理を行う。次に、ジエチレングリコール成分を、歯磨き製品品質安全市場参入制度の管理監督項目にいれ、その生産、販売を管理する。さらに、歯磨き製品を輸出商品検定リストにいれ、強制的に検定を行う」という三つの措置をとることにしたと、魏副局長は話しました。

　また、この日、中国政府は、医薬品中毒事件の調査結果を発表しました。2006年、パナマの関連企業は、ジエチレングリコール成分混入のグリセリンを医薬用のグリセリンに間違えて、インフルエンザ医薬品の製品に使いました。その結果、数百人の患者が死亡しました。調査したところ、この製品を輸出した中国企業は、この製品は医薬用ではない、また、有効期限は1年だと改めて強調しましたが、パナマ企業は、この製品の適用範囲を無断に変え、医薬品の製造に使いました。そして、有効期限も、4年間と変えました。この中毒事件を起こした責任は、パナマ企業にあります。

　中国の食品医薬品の安全性についての報道に対して、中国国家食品薬品監督管理局の顔紅瑛報道官は、5月31日の記者会見で、「当局は、医薬品市場の整備に大きな力をいれ、偽物や品質の悪い医薬品を取り締まっている。去年、医薬品や医療器械の不法事件を33万2千件摘発し、その金額が5億7千万元に上っている」と紹介しました。（翻訳：任春生）