第8回アジア欧州会議外相会合が28日ドイツ北部の港町ハンブルクで開かれました。この日の午前、中国の楊潔チ外相、ドイツのシュタインマイヤー外相、EU ・欧州委員会対外担当のフェレロワルトナー委員及びソラナ共通外交・安全保障政策上級代表が会談を行いました。世論は「今回の会談は、全面的な戦略パートナーシップを強化していく中国と欧州の決意を表した」と見ています

　会談の中で、中欧双方は気候の変化やエネルギーの安全確保、テロ取締り、イランの核問題、イラク問題などの国際問題について意見を交換し、共通認識を高め、相手の立場をより理解するようになりました。

　これについて楊潔チ外相は、「中国と欧州のハイレベルの相互訪問がより活発となり、各クラスの政治対話は豊かな成果をあげた。また、経済貿易分野における友好往来と協力も絶えず拡大された。世界と地域の安全などの重大問題における双方の共通認識も高まった。双方は中欧関係の発展に満足しており、それぞれ、戦略的に高度な、かつ長い目で中欧関係の発展を考えていく」と述べました。

　また、ドイツのシュタインマイヤー外相は「中欧双方は、イランの核問題について意見が一致した。まず、IAEA・国際原子力機関に対する国際社会の希望と要求を満たすため、イランに、より大きな圧力をかけなければならない。また、中欧双方は交渉によって、イラン問題を解決することに合意し、武力解決に断固と反対する」と述べました。

　アジア欧州会議は1996年にスタートした地域をまたぐ協力メカニズムです。その主旨はアジアと欧州の間に新しい形の全面的な戦略パートナーシップを作り、対話や理解、協力を強化し、経済と社会の発展のために有利な条件を作り、世界の平和と安定を維持することにあります。現在アジア欧州会議には45の加盟メーバーがあります。これにはEU の27の加盟国やASEAN・東南アジア諸国連合の10の加盟国、中国、日本、韓国などが含まれています。EU は中国にとっての貿易パートナーであり、中国はEU の2番目の貿易パートナーです。

　今年1月、EU は中欧パートナー協力協定についての交渉が正式に始まることを発表しました。

　フェレロワルトナー委員は中欧パートナー協力協定の交渉について 「中欧パートナー協力協定は双方に、より多くの義務をもたらした。この協定は共同して、困難に立ち向かうためのものだ。それには、様ざまな形による貿易、気候の保護、エネルギーの安全確保、アフリカ諸国との対話などが含まれる。この協定は協力を拡大する重要な手段だ」と述べました。

　さらに、ソラナ上級代表は「我々は楊潔チ外相と重要な戦略対話をした。今後、このメカニズムを続けていく必要がある。中国は非常に重要な戦略的な協力パートナーだ。中国と協力して、多くの国際問題を解決することが必要だ」と述べました。