2007年世界スペシャルオリンピックスが、今年10月上海で開かれます。これは、今大会初の発展途上国での開催であり、およそ160の国と地域から1万人あまりの選手や役員が参加します。また、2万人にのぼる選手らの保護者、専門家、ゲストなども参加することになります。現在、スペシャルオリンピックスの準備作業が順調に進んでいます。
スペシャルオリンピックスは国際スペシャルオリンピック委員会が、世界中の知的障害者を対象に設置した専門的なスポーツ大会です。出場選手は、年齢別、能力別に試合に出場しますが、世界記録は設けられず、選手全員が賞を獲得することができます。
今大会は、21のスポーツ種目と、10あまりの非スポーツ種目からなります。上海世界スペシャルオリンピック委員会の常務副主席をつとめる上海市の周太彤副市長は、17日、北京での記者会見で、17日、北京での記者会見で、その準備作業が順調に進んでいると述べました。
周太トウ副市長は「現在、審判、競技のプログラム編成者、特殊機器の購入や調整などは予定通り進んでいる。節約の原則に基づいて、必要に応じて34カ所の競技場に対して改修を行っている。大会の要求を満たし、バリアフリー施設を完備することが重点である。改修作業は6月末までに終える」と語りましたと述べました。
周太トウ副市長によりますと、期間中、中国は大会参加者に対し、ボランティア、通訳、取材、交通、宿泊、治安、医療などのサービスを提供します。特に言語面では、6つの公式言語とその他の言語のボランティア養成など、すでに始まっています。
上海市は、2002年、中国を代表して今大会の誘致に成功しました。中国政府は今大会を非常に重視し、上海スペシャルオリンピック組織委員会と執行委員会の設立を許可しました。国家体育総局、中国身体障害者連合会などもその準備に積極的に取り組んでいます。胡錦涛国家主席、温家宝首相などの指導者も、大会の成功に向け、何度も指示を出しています。
中国には8300万人近くの身体障害者がおり、そのうち、知的障害者は、900万人を超えています。そのうちおよそ50万人がスペシャルオリンピックスの選手として登録しています。これについて、中国身体障害者連合会の湯小泉理事長は、スペシャルオリンピックスは、知的障害と身体障害者事業にとってはもちろん、社会の発展にも積極的な役割を果たしているとしています。
周太トウ副市長は「知的障害者が大会に参加することは、体を鍛えることだけが目的ではない。大会に参加する過程で、選手は多くの人々と付き合い、社会と接触しなくてはならない。それによって、彼らの認知力、コミュニケーション能力も高まり、言語力もアップすることができる。これにより彼らが今後社会に参与していくと力を大いに高めることができる」と強調しました。
湯小泉理事長は、さらに、「大会の開催を通じて、健常者にとっても、知的障害者を助け、関心を寄せるという社会の雰囲気作りにプラスとなる」としています。
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