香港で行なわれていた国際道徳経フォーラムが27日、閉幕しました。6日間にわたって、香港と西安で行われた今回のフォーラムには、17の国と地域から、宗教界とビジネス界の、そして学者など300人あまりが出席しました。そして「道教への研究を通じて、調和の取れた世界を築く」をテーマとして、『道徳経』の思想と現代的な価値観との関わりについて、意見を交わしました。
中国道教協会の張継禹副会長は閉幕式の席上、今回のフォーラムが成功裏に行われたと高く評価し、次のように述べました。
「国際道徳経フォーラムの開催は、道教界の大きな出来事であり、全世界の『道徳経』の愛好者と研究者に交流のチャンスを提供した文化的な大会でもあった」
今回のフォーラムでは、120人の代表が発表を行い、主に『道徳経』と調和の取れた文化や環境保護、現代的な管理及び健康などの問題について、踏み込んだ意見を交わしました。そのうち、『道徳経』と調和の取れた文化という話題がもっとも注目されました。これについて、全国政治協商会議の董建華副主席は、次のように語りました。
「調和という理念は中華文化の核心的なものである。『道徳経』は、中華民族の伝統文化における重要な経典であり、調和という理念を主として、中国社会、そして全世界に重要な影響を及ぼした。今回のフォーラムは、道教の研究を通じて、調和の取れた世界を築くというテーマを設定し、調和への道について活発な討論を行った。これは、調和の取れた社会と世界を築くことにおいて、重要な意義を持つ」
また、国内外からは、300人あまりの道教界の人々、専門家らも今回のフォーラムに参加しました。海外からの道教研究者も、調和という理念に対し自らの考えを持っています。フランス道教協会から参加した宗教者の一人は、次のように述べました。
「私個人の理解で言えば、調和の取れた社会を築くことは、自分自身の調和と関係があると思う。修行をちゃんと行い、自分の心を平静に保てば、自分の身を調和させることが出来る。そしてこれが、周囲の人々や自分の家庭にも影響を与えるということだ。まず、自分自身の調和を実現させて初めて、家庭、都市、国、さらに全世界の調和を実現させることができるだろう」
今回のフォーラムは、西安と香港で行われましたが、中でも、香港でのイベントが、もっとも多彩なものとなりました。たとえば、21日に行われた「1万人道徳経朗読イベント」では、ギネスブックの「同時朗読」の最多人数記録を更新しました。このほか、「道徳経展」が半月間にわたって行われ、10数点の国際的な一級文化財が展示され、道徳経の経典についての世界最大規模の展覧会となりました。
また、代表らの数日間にわたる交流を通じて、フォーラム閉幕前に、『国際道徳経フォーラム宣言』が採択されました。参加者は、「宣言が我々の共通の願いを代表し、道教のよい伝統を一層発揚し、調和の取れた社会作りを促進する面で道教が果たす役割に、大きな影響を与える」と考えています。
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