18日、中国の鉄道の大幅なスピードアップが実現しました。これにより、首都北京から上海までの1450キロの距離が、2時間短縮の10時間以内で結ばれることになりました。また、他の都市間でも走行時間がある程度短縮されています。
中国鉄道省の胡亜東次官は、「今回のスピードアップでは、主要な幹線を走る列車のスピードが200キロ以上になる」と予測しました。胡亜東次官は、次のように述べています。
「今回のスピードアップによって、時速200キロ以上の鉄道線路ゼロの歴史に終止符が打たれる。また、線路の総延長は6003キロに達し、その内、時速250キロの線路は846キロとなる。このような大幅なスピードアップは、世界の鉄道史上でも稀なことだ」
胡亜東次官によりますと、今回のスピードアップによって、時速120キロ以上の鉄道線の総延長は、従来の1万 6000キロから2万2000キロに延長されました。これにより、鉄道は中国のほとんどの地域をカバーしたことになり、快速旅客輸送網の建設が大きく進展したことになります。
また、今回のスピードアップ区間は主に、北京や、上海、広州、鄭州、西安などに集中しており、これらの都市を走る列車の走行時間は20%~30%ぐらい短縮されます。
なお、今回のスピードアップにはおよそ300億元が投入されましたが、運賃の値上げは行わないとのことです。
北京で仕事をしている陳起さんは江西省南昌市の出身です。以前故郷に帰るとき、列車で12時間ぐらいかかっていましたが、今回のスピードアップにより、北京から南昌まではおよそ2時間短縮されました。陳さんは、このように述べています。
「時間が短縮され、疲れなくなった。そして、今回南昌までの直行便もでき、帰省がもっと便利になった」
1997年から、中国は5回の大幅なスピードアップを実施してきました。列車の最大時速は160キロに達していましたが、今回のスピードアップで最も注目されたのは、一部の幹線で、時速200キロ以上の高速列車がお目見えしたことです。この高速列車は中国の自主開発によるものです。また、中国の鉄道部門は運行に関するコントロールシステムや、調整・指揮システムなどのグレードアップを行い、運行の安全性を確保します。中国鉄道省の何華武チーフエンジニアは、次のように述べています。
「スピードアップのための工事では、道路や橋、トンネルなどを補強・改造しなければならない。このほか、旅客輸送施設や一部の保全施設も改造しなければならない」
関係筋によりますと、今回のスピードアップで、旅客輸送能力が18%、貨物輸送能力が12%引き上げられる見込みです。これは、現在の鉄道輸送の緊張状態を緩和し、経済と社会の発展にもプラスとなるということです。 (翻訳:周莉)
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