孔子学院の本部が9日、北京で設立されました。これは、世界各地に設置された孔子学院で行う中国語教育の標準を設け、教育レベルを向上させるものです。そして、本部では、海外の中国語学習者により良いサービスを提供し、中国と国際社会との文化交流と協力を促すことを目指しています。
9日行われた孔子学院の本部設立大会で、陳至立国務委員は、
「孔子学院本部は、統括と総合的なサービスの機能を担うべきである。各孔子学院との協力と連絡を強め、各国の孔子学院に管理者、教師、テキスト、プログラムなどといった各種のサポートを提供し、各国で中国語と中国文化を学ぶ人たちを支援していくべきである」と強調しました。
ところで、中国と世界各国との交流が日増しに深まるにつれて、中国語の文化価値と実用価値が高まり、中国語学習は世界各地でますます重視されるようになっています。統計によりますと、現在、海外で中国語を学ぶ人の数はすでに3000万人を超えているということです。
この状況を踏まえて、政府は、2004年から、中国伝統文化を代表する人物・孔子の名をつけた学校を海外に設立してきました。孔子学院は、世界各国との友好関係を発展させ、世界各国の人々が中国の言語文化への理解を深め、各国で中国語を学ぶ人たちに、便利で、良い条件を提供することを目指してきました。今、50あまりの国に設けられた孔子学院の数は140を超え、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどに集中しています。
韓国の孔子学院は、中国が海外で設立した最初の孔子学院です。現在、この学院で学ぶ人の数は、400人を超えています。キム キチョルさんはその中の一人です。「中国語を始めて2年経った。前より中国文化にいっそう興味を持つようになった。中国は広いので、いろいろなチャンスが多いと思う。中国語で会話できるようになれば、今後、中国で就職しても、貿易を行ってもメリットがあると思う」とキムは話しました。
現在、多くの国が海外で孔子学院のような教育機関を設置しています。たとえば、ドイツのゲーテ学院、スペインのセルバンテス学院などがあります。中国が、海外で孔子学院を始めたのは、遅れましたが、大いに発展しています。
これらの孔子学院は、学ぶ人たちの水準に合った授業、試験、コンクール、中国留学の窓口などのプログラムを設けたり、サービスを提供したりして、地元の人々に喜ばれています。
同時に、中国語学習を希望する外国の人々により速く、便利な学習手段を提供するため、中国は、「孔子教室ラジオ放送」、「オンライン孔子学院」の設置にも積極的に取り組んでいます。中でも、北京放送・中国国際放送局は、国家中国語国際化推進責任者チームと協力して、トルコ、エジプト、ケニア、ロシアなどで「孔子教室ラジオ放送」を始めました。
孔子学院本部の設置の意義について、中国駐在のレイショーエーオーストラリア大使は、「これによって、中国の教育と中国の文化を世界に広めることができる。現在、オーストラリアには、すでに三つの孔子学院がある。今後さらに多くの学院が立てられると信じている」と語りました。
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