中国衛生省の馬暁偉次官は海口市で行われた医薬博覧会の席上で、「中国の衛生事業の改革は今後、都市部と農村部の基本的な医療保険制度の建設に重点を置く」ことを明らかにし、次のように述べました。

　「今後しばらくの間、衛生面での改革と発展は、4つの基本制度の確立に重点を置く。即ち、都市部と農村部における基本的な医療保障制度、いろいろなレベルの医療保障制度、国の基本的な医薬品制度、それに規範化した国立病院の管理制度だ。こうした制度によって、人々の「簡単に治療が受けられない、高い治療費」といった問題を解決していく」

　中国は人口が多いのに対して、一人当たりの経済レベルと財政収入が低い現状です。このような国情によって、中国の健康を保障する制度を確立するには基本的な医療衛生制度の建設からスタートしなければなりません。このため、いま進められているこの基本的な医療衛生制度は、政府が推進し、全ての住民に無料の公共衛生サービスを提供すると共に、掛けたコストによって医療費を支払う基本的な医療サービスを提供しています。

　このうち、農村部の住民に対しては、新型協力医療制度を通じて、医療衛生サービスを提供しています。この制度に参加した農民は毎年10元支払い、これにたいして地方政府と中央政府が毎年、それぞれこれらの農民に20元の補助金を提供しています。この3つの資金で設立された医療保障基金が、協力医療制度に参加した農民にたいして医療費の一定の割合を支払います。

　一方、都市部では、主に都市部の住宅団地医療機関の推進を通じて、住民の基本的な医療サービスを保障します。都市部の各住宅団地に設置された医療所は、一般の病気の治療を担当します。また、医療所で治療できない患者については大型総合病院に送ります。そして、関連の規定は、住宅団地の医療所を住民が徒歩で15分以内に行ける場所に置くことを定めています。

　こうした基本的な医療保障制度のほかにも、中国衛生部門は、基本的な医薬品の供給を確保し、医薬品の価格を安くするよう関係方面に要求しています。同時に、中国各地の医薬品企業もいろいろな措置を取っています。劉成才さんは、中国南部海南省の公定価格医薬品を扱うスーパーを経営している会社の代表取締役です。数年前、医薬品市場の価格が高騰している中、劉さんは地元に初めての公定価格医薬品スーパー「広安堂」を開設しました。僅か3年間で、劉さんの「広安堂」は既に28店舗のチェーン店に発展しました。劉さんの話です。

　「治療を受けにくい、医療費が高いといった問題は、皆さんご存知の問題だ。このため、私は医薬品スーパーを開店した。その目的は、人々に便利を提供すると同時に、一番安い値段で皆さんに利益を与えることにある」

　しかし、中国のような人口の多い国にとっては、全ての人々に良い医療サービス環境を提供することは、きわめて難しい任務です。これに対し、衛生省によりますと、中国政府は今後、資金投入を一層拡大し、人々への基本的な医療衛生サービスを確保する上で、そのサービスのレベルを向上させていくということにしています。