現在、北京で第10期全国政治協商会議第五回会議が行われています。毎年1回開かれる全体会議や、3ヶ月に一回の常務委員会、及び随時召集される主席会議や常務委員テーマ別座談会を通して、各級政府に対する活動報告、経済・社会の発展計画、人事計画などについて意見提案がなされています。去年一年間を振り返ると、政治協商会議の委員673人が、視察員として各地に派遣され、長江沿岸の経済発展の様子や、青海チベット鉄道に関し考察を行い報告書を提出しています。その中で、京杭運河を世界遺産に登録するため奔走した委員たちがいました。
京杭運河は、北京から浙江省の杭州まで、中国南北を貫く唯一の運河です。2500年前の春秋時代から建設が始まり、全長は1794キロに達しています。世界で、最も悠久な歴史を持つ最長の人工運河です。
しかし、この京杭運河も、困難な課題に直面しています。中国国家文化財局建築チームの担当者、羅哲文さんは、「京杭運河はいまもずっと使用されているが、きちんと保護されていないので、一部分は枯渇している。このまま措置をとらないと、だめになる恐れがある」と語りました。
羅さんが心配するとおり、一年中通航可能なの区間は、わずか877キロメートルとなっています。この運河を保護するため、羅さんは、21年前から世界遺産登録のために駆け回ってきました。しかし、世界遺産の申請は、計画が完備していることが必要で、さらに政府部門が統率していなければなりません。世界遺産の申請は、政治協商会議の委員たちも関心を寄せました。去年の会議で、劉楓委員を初め57人が、連名で関連提案を提出しました。その後、常務委員会の副主席を団長として、68人の視察団が、京杭運河を視察しました。視察コースは、運河沿岸の6つの省、18の都市に及び、総距離2500キロメートルに達しました。これは、京杭運河の視察では、最も大きな活動となりました。この視察によって、運河の保護と、世界遺産登録への準備が、加速化されました。中国国家文化財局の単サイ翔局長は、「2006年5月に、国務院が京杭運河を全国重点文化財に決めた。12月には、国家文化財局が、世界文化遺産の中国候補としてリストいりさせた」と述べました。
今では、より多くの人が、京杭運河の保護に注目し、協力しています。これを見て、羅さんは、「中国政治協商会議全国委員会は、各界の人々が政治に参加し、協力しあう重要な場所となっており、中国で最高の協商諮問機関である。ここで提出された意見なら、国家の各部門の支持を得られると思う。世界文化遺産の申請についても楽観視している」と語っています。(翻訳:李軼豪)
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