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露米の食い違い、ミュンヘン国際安全政策会議の焦点となる
   2007-02-12 16:03:16    cri

 ドイツ南部の都市・ミュンヘンで開かれていた第43回国際安全政策会議が11日、閉幕しました。会議では、ロシアのプーチン大統領はアメリカとNATO・北大西洋条約機構の軍事政策を強く非難しました。これは、冷戦終結後、ロシアの指導者がアメリカに対して最も厳しく非難をしたものであり、二国間の考えの食い違いが今回の会議の焦点となりました。

 ミュンヘン国際安全政策会議は9日から始まり、ロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相、アメリカのゲーツ国防長官などを含む40カ国余り250名の政府首脳らが出席しました。NATOの拡張やロシアと西側諸国の関係、イランの核問題などがこの会議の主な議題でしたが、会議の進行に従って、プーチン大統領のアメリカへの非難が会議の焦点となりました。10日、プーチン大統領は、「アメリカは世界で武力を濫用し、国際社会に一方的に主義主張を押し付けている。さらに東ヨーロッパ諸国でミサイル防衛システムを配備し、NATOの東への拡張を推し進めているため、ロシアの安全は大いに脅かされた」と強く非難しました。

 専門家は、「これは冷戦終結以来、ロシアの首脳がアメリカに対して行った最も厳しい非難であり、ロシアとアメリカ、NATOとの関係を反映している。また、ロシアとアメリカの根本的な利益をめぐる矛盾は解決が難しいことを示している」と見ています。

 まず、ロシアとアメリカは、どのような国際情勢を築いていきたいのかという考え方について原則的に食い違っています。冷戦終結後、ロシアの国力は大きく衰え、アメリカが唯一の大国となりました。アメリカは自国のやり方を世界に押し付け、相次いでアフガニスタンとイラクに侵入し、武力を行使しました。これとは逆に、ロシアは多極化した世界の建設を提唱し、国際社会における国連の主導的役割を主張し、武力の濫用に反対しています。

 また、アメリカはNATOの拡張によりロシアの戦略的空間を減少させたとして、ロシアの不満を招きました。アメリカは東ヨーロッパでミサイル防衛システムの配備やNATOの東への拡張を計画していますが、これらの行動は、ロシアの安全に脅威を与えています。プーチン大統領の発言はアメリカとNATOへの警告でもあります。

 世論は、プーチン大統領の発言は警告に加えて、かつて政治、軍事大国だったロシアが再び復興するシンボルでもあると考えています。ここ数年、ロシア経済は順調に発展しています。特にエネルギー大国として、国際エネルギー市場で重要な地位を占めているロシアは、世界で再び強国の地位につくことを外交政策としています。プーチン大統領はその発言により、アメリカはロシアの力を重視すべきだと注意を促しているのでしょう。

 プーチン大統領の非難は厳しかったものの、アメリカのそれに対する反応は抑制的でした。アメリカの国家安全委員会は声明を発表し、「プーチン大統領の非難は間違っている」とした上で、テロリストの取り締まりなどの分野でロシアとの協力に期待を示しました。

 専門家は、「ロシアとアメリカの国際安全政策会議での食い違いは、両国が長期的な利益をめぐって衝突したものであり、両国間の戦略的な競争状態は変わること無く、二国間は戦いながら協力していくだろう」と見ています。

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