29日、中国国務院新聞報道室は、「2006年中国の国防白書」を発表しました。この白書は、これまで2年間の、中国における国防と軍隊近代化の状況を総合的に説明したものです。国内の軍事専門家は、この白書について、中国が平和的な発展の道を歩む信念と決心を読み取ることができると評価しています。中国は、この中で軍事は防衛に徹するとのこれまで一貫している立場をとり、世界の安全、安定と繁栄への希望を示しました。
「2006年中国の国防白書」の発表は、中国が1998年に初めて国防白書を出してから5回目となります。この白書には、中国の安全情勢、国防政策、国防費、軍隊近代化整備、国際安全分野の協力などの内容が記述されています。
白書の編集に参加した中国軍事科学院の温氷研究員は、中国国際放送局のインタビューに対して、次のように述べました。「今年の白書は、例年に比べて、まず中国自らの安全環境の総合的な検討に多くのページが割かれている。中国は、先進国との協力をこれからも引き続き行い、隣国との友好関係も絶えず前向きに推し進めていく。発展途上国との幅広い交流も深め、かつ海峡両岸が平和と安定の方向へ発展するよう促進していく」
これと同時に、この白書は、国内外の立場から、中国の安全情勢が直面している課題を分析しました。時に、台湾問題については、安全情勢、国防政策などの部分で、論じられました。これについて、温研究員は 、「この白書は、台湾問題に関して、3つの情報を伝えている。まず、台湾独立勢力が行ういわゆる『法律の根拠ある台湾独立』活動の危険性と深刻さを十分に認識すること。第二に、台湾問題解決においては、アメリカなどによる複雑な要素があること。第三に、この白書が、国家の統一を維持し、領土を保全する決意を示しているということである」
ここ数年、中国とその他の国との軍事協力も日増しに緊密になってきました。2002年以後、中国は、アメリカ、ロシア、パキスタンなどの11ヶ国との間で、合同軍事演習を16回行いました。この白書は、これらの軍事協力についても論じています。これについて、温研究員は、次のように語りました。
「この白書は、明確なシグナルを出している。つまり、中国の軍隊は、軍事分野の相互信頼と安全面で、世界各国の軍隊と協力したい。そして、共に、地域と世界の平和と安定を維持する責任を果たしたいということだ」
また、軍事費について、この白書は、次のように述べています。中国の軍事費は公開されています。1990年代から、中国は経済の発展と共に、国家の主権と領土を保全するため、国防費を徐々に増やしてきました。しかし、世界的にみれば、中国の国防費総額、軍人1人当たりの経費などは、先進国に比べて、まだ低い段階にあります。
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