「企業所得税法」草案が24日、初めて中国の立法機関である全国人民代表大会常務委員会に付託されました。これは、この注目されている法立案がすでに立法段階に入ったことを示しています。この草案によりますと、中国はこれまでのように異なる税率によって内外企業から所得税を徴収すのではなく、税率を25%に統一します。また、小企業とハイテク企業ではさらに低い優遇税率を実施します。もともと法律で定められた優遇税制がなされている企業は過渡期として引き続き優遇を受けられるということです。
中国は1980年代から改革開放政策を実施して以来、外資を誘致し、経済を発展させるために、外資系企業に対して国内企業と違った税制を実施してきました。規定によりますと、内外企業の所得税率はいずれも33%となっていますが、一定の地域にある外資系企業に対しては24%、あるいは15%の優遇税率を実施してきました。このやり方は中国の改革解放、外資誘致、経済発展で重要な役割を果たしてきました。しかし、中国経済が大きく変化するに伴い、内外企業の所得税がそれぞれ異なっている状況は改革する必要がでてきました。内外企業の所得税を統一する目的について、中国の金人慶財政相は全国人民代表大会常務委員会の会議で次のように述べました。
金人慶財政相は「現在、わが国の経済社会は大きく変わってきている。社会主義の市場経済システムは徐々に確立されている。WTO・世界貿易機関に加盟後、国内市場がさらに外資に開放され、国内企業もだんだん世界の経済システムに適応してきた。もし引き続き異なる税制を実施すれば、必ず統一的で、規範化された公平な競争のある市場環境に影響をもたらす」と述べました。
それだけではなく、現行の国内と外資系企業の所得税の差が非常に大きく、実施する過程で多くの問題が生じています。各種の企業競争に公平な税環境を提供するために、中国は2年前から「企業所得税法」草案を検討し始めました。草案は、国際標準のやり方を参考にして、「産業の優遇を主とし、地域優遇を従とする」新しい税優遇システムを実施し、企業の所得税の税率を統一し、適切に下げると共に、税の優遇政策を統一しました。その中で最も重要なのは、内外の企業の所得税率を25%に確定するというものです。
これについて、金人慶財政相は「草案は、税率を25%に統一した。これは、国内企業に対して税金負担を減軽し、外資企業に対する負担の増加を最小限にすると共に、財政の減収を受け入れられる範囲に収めることを考えている。また、国際的な、特に隣国、あるいは周辺地域の税率レベルを参考とした。草案の25%の税率は、国際社会では低い方である。これは、企業の競争力の向上と海外ビジネス投資の誘致にプラスとなる」と語りました。
25%の税率は高くはありませんが、数字の比較から見れば、外資系企業にとって、新しい税率の実施によって税負担はすこし増加します。この状況を緩和するために、草案は、もともと優遇を受けていた企業に対して特に過渡期の措置を作りました。
このほか、この草案は現行の税収優遇政策を整理し、税優遇の主な内容と自然災害の時の税金減免専門優遇政策などを定めました。
「企業所得税法」の意義について、金人慶財政相は「企業所得税の改革は、わが国の経済構造の最適化と産業の発展にプラスとなり、各企業に公平な税環境を提供する上でプラスとなる。改革は、わが国の社会主義市場経済発展の新しい段階に適応する制度の革新であり、経済社会が持続可能な発展を促進するための措置である。そして、中国の経済制度が成熟して、規範化へ進んでいる証拠の一つであり、社会各界の共通認識でもある」と述べました。
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