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パレスチナ 内戦は起こりうる?
   2006-10-04 18:09:59    cri
 パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハと、イスラム原理主義組織ハマスの武装勢力は、10月1日からガザ地区で衝突を続けており、これまでに12人が死亡し、150人が負傷しました。これは、ここ10年来、パレスチナで起こった最大規模の内部衝突です。現地のメディアは、『ブラックサンデー』『血生臭い』などの表現を使い現在の国内情勢を報告しています。衝突が全面的な内戦をもたらすのではと心配する国民が大勢います。

 衝突勃発のきっかけは、1日に起こったパレスチナ治安機関部隊によるデモンストレーションです。当日、ファタハに所属する治安機関同士がガザ地区に集まり、ハマスが率いるパレスチナ政府が公務員の給料を滞納したことを抗議にしました。数千人のハマス系の治安部隊がデモを中止させるために出動し、ファタハに所属する治安部隊と衝突しました。衝突は直ちにエスカレートし、ヨルダン川西岸まで戦火が広がっています。ハマスの事務所は、ファタハの支持者によって焼きつくされ、死傷者も日増しに増えてきました。

 情勢を緩和させるため、双方の指導者は、2日に所属の部隊に撤退するよう命令を出しましたが、3日に入っても交戦が続いており、情勢が緊迫化しつつあります。また同日、ファタハ所属のアル・アクサー殉教者旅団は、ハマスの指導者たちを襲撃する計画があると宣言をだしました。これに対して、ハマスは、アル・アクサー殉教者旅団の行為が情勢を緊迫させ混乱を招くと非難しました。

 双方の論戦と衝突がエスカレートする中、最終的には全面的な内戦に陥りかねないと指摘した人がいます。しかし、分析者は、パレスチナの情勢がまだコントロールできる範囲にあり、いくつかの要素によって内戦の勃発を抑えることができると主張しています。

 まず、双方の衝突は、軍事組織間に限られ、ファタハとハマスの指導者が情勢の鎮静に努めています。ハマスの指導者でもあるパレスチナ政府のハニヤ首相は3日、民族団結を守り衝突と内戦を慎むよう各方面に呼びかけました。ファタハの指導者でパレスチナ自治政府のアッバス議長も、内戦が起きてはならないと強く表明しました。

 次に、衝突が起きた基本的な原因は、内戦を起こしやすい民族問題ではなく、イスラエルに関する政治的な相違だけです。ここ数ヶ月間執政してきたハマスはイスラエルと西側諸国の経済的な制裁を受けたことから、ファタハなど派閥との協力が必要だと痛感しました。それに、連日衝突が続いてきましたが、どちらが優勢だとはいえません。衝突は、所詮問題を解決することができないのです。むしろ、衝突することで、双方に譲歩させ、連立内閣が成立するように導くことができるとされています。

 そして、もう一つ内戦の勃発を抑制する要素は、パレスチナ民衆の意思です。つい最近のアンケート調査で、半分以上のパレスチナ人は、連立内閣の樹立を希望していることが明らかになりました。庶民たちが一番関心を持っているのは、いかに国際社会の援助を受けて経済状況を改善させるかというです。

 最後に、国際社会が平和を目指す努力も、情勢のエスカレートを抑えることができます。ここ数日、国連、アラブ諸国連盟、アメリカなど関係側は、抑制を保つよう双方に呼びかけました。アメリカのライス国務長官は、4日にパレスチナに赴き、仲裁にに臨んでいくことを表明しました。

 以上の理由で、分析者は、パレスチナ情勢はまだ収拾が付かないものではないと認識を表明しました。

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