今年の台風8号が、10日夕方中国東部の沿岸地域に上陸しました。上陸の際の中心風力が17級、風速60メートル超で、この半世紀で、大陸に上陸した最も強い台風となっています。11日午後までに、台風8号による死亡者は、81人となり、160万人が避難しました。
台風8号が、中国東部浙江省の温州市に上陸しました。浙江省洪水と旱魃対策本部の副指揮である陳川さんによりますと、台風8号の風速が驚くべきものです。時速200キロで進み、その破壊力も強い。風が強くて雨も激しい、外に出られない状態です。
陳さんの報告を受けて、中国の気象部門は、台風8号の襲来を予報したので、この台風の上陸前に、関連の措置を取りました。これについて、陳さんは、「浙江省は、100万人以上を避難させた。一部の施設を台風に備えた。また、安全を守るため、工場休業や学校の授業停止を命じた」と述べました。
しかし、台風8号が上陸してから、温州周辺は破壊されました。11日午前8時までの集計によりますと、台風8号によって、81人が死亡し、11人が行方不明となり、2万軒近くの家屋が倒壊し、多くの道路が壊れて、直接的な経済損失は45億元を超えました。被害を受けた温州市は、洪水で埋まっており、市政府は、一千万元を調達して、救援活動に投入し、衛生部門は、被災地に赴き、救援活動を行っています。
台風8号は、浙江省を直撃してから、その隣の福建省にも影響を与えました。福鼎市の蔡美真副市長は、「これまでに、このような強い台風を経験したことはない。上陸し熱帯暴風雨には衰えていない。福建省では、風力が14級か15級で、これまでの歴史にないことだ」と強調しました。
台風8号の通過した寧徳地域の交通、通信や水と電気の供給がすべて中断されました。
福建省政府は、この夜、関連部門の責任者を集め、緊急会議を開き、対策を決めて、被災地住民の正常な生活を確保することを急いでいます。
福建省洪水旱魃対応事務室の呉金塔主任は「危険地帯からすでに住民を50万人緊急避難させた。今は洪水後の緊急対策案を講じた」と説明しました。
「すでに避難した人たちの安全を守るのは大切である。沿海地域、海抜の低いところに住んでいた人たちは今のところ、絶対自宅に帰せない。台風の上陸による強風と豪雨に襲われるので、次の段階は豪雨に対応すること。各機関は作業を進めなければならない。」
中央政府は被災地の様子に関心を寄せています。台風8号が上陸する前、対策案を講じると共に、被災地に指導グループを派遣しました。
北京で救援作業を指導している民生省救済局の王振耀局長は、救援作業に関するすべての準備をしていると説明しました。
現在、台風8号は熱帯性強風に変わり、内陸部の江西省に移っています。
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