2日間にわたって、行われる孔子学院会議が6日から北京で開催されています。会議では、中国語を教えることを目的とする非営利機構が、現在、多くの国や地域で急速に普及していることが報告されました。中国政府は、出来る限り、孔子学院の活動を支援し、中国語を学ぶ学生により多くの便宜を図ることを約束しました。

　孔子は、中国の伝統文化を代表する人物ですが、孔子学院は孔子の思想を広げる学校というわけではありません。海外で中国語や中国文化を伝えることを目的とする機構です。ドイツのゲーテ学院と同じだといえるでしょう。

　これは、韓国の孔子学院の教師が学生に中国語を教えている様子です。ここは2004年に開学しました。海外に設置された初めての孔子学院です。現在、学生数は400人。キム・キチェオル（金基哲）さんは、そのうちの1人です。

　「私は中国語を2年間勉強してきた。以来、中国文化への興味がますます高まっている。中国語を使えれば、中国に行って、仕事を探したり、ビジネスをすることにも役立つだろうと思う」と話します。

　中国の陳至立国務委員は、6日に行われた孔子学院会議で、次のように挨拶しました。

　「現在、孔子学院や孔子学級が36の国や地域に設置された。これは、海外で中国語を勉強する学生のニーズに応えたものであり、中国と世界各地との経済、文化の協力と交流にプラスとなる」と述べました。

　中国語は難しい言語で、特に西洋人にとって、漢字とイントネーションは習得が非常に困難です。そのため、10数年前、中国語は、世界で今ほどの人気がありませんでした。

　しかし、ここ数年の改革開放と経済の持続的な発展に伴い、中国と世界各国との交流は日増しに拡大し、ますます多くの外国企業が中国に投資し、中国に来て仕事をしたり観光したりする外国人も多くなってきました。一方、世界各地に留学、ビジネス、観光に行く中国人も急速に増えており、中国語は中国を理解する重要なツールとして、多くの人が熱心に学習しています。そのため、一部の国では中国語教師の不足という問題が現われました。

　こういう状況の下で、中国政府は海外に孔子学院を設立し、海外の中国語学習者のために学びの場を提供することを決めました。現在、孔子学院は中国語教育、中国語試験などを行い、多くの人々の支持を受けています。

　ケニアのナイロビに設置された孔子学院は中国文化に関する課程を開設しています。現在、この孔子学院の学生は中国語を話せるだけでなく、中国語の歌も歌えます。

　中国政府は、「今後もできるかぎり孔子学院を支持し、さらに多くの海外学習者のために便宜を図る」としています。

　すでに設立された孔子学院のほか、現在30余りの国の70余りの機構が孔子学院の設立を中国に申請しています。今年中に孔子学院の総数は100カ所を超える見込みです。