新疆ウイグル自治区水利庁はこのほど、カレーズ(伝統的な地下水路)保護事業の全面的な開始を決定し、第1期予算として2千万元を計上したと発表しました。今後9年間で2億5千万元を投じ、「地下の万里の長城」と呼ばれるカレーズの全面的な補強を進めます。
カレーズは、広西チワン族自治区の霊渠、四川省の都江堰と並び、「古代中国の3大水利事業」の1つです。これは現地の自然条件や地下水・地質の特徴に基づいて新疆の人々が作り上げた独特の地下水利設備です。この施設は主に吐魯番(トルファン)地区と哈密(ハミ)地区にあります。長年にわたり現地の農牧業を発展させ、人や家畜に飲料水を提供してきましたが、近年の人口激増と大規模な開墾、過度の地下水汲み上げによって、急速に衰退が進んでいました。
今回の保護事業では、276の防護と補強、115の通常保護、89の修復を行います。保護事業の完成は、新疆南部の飲料水不足を効果的に解決するだけでなく、吐魯番・哈密両盆地の生態系バランスの維持にとってもプラスの意義があります。(編集 ハルオ)
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