中国外務省の孔泉スポークスマンは9日の記者会見で「次期国連事務総長にはアジアの出身者を支持する」と表明しました。
国連のアナン事務総長は今年末に2期目の任期が切れ、3期目への再任意欲がないと表明したため、次期事務総長の選出は国連の議事日程となっています。
国連事務総長は国連の行政の最高責任を負い、国連活動の展開、世界の安全保障と共通発展の促進で重要な役割を発揮しています。
国連憲章により、事務総長の選出は安全保障理事会の勧告に従って総会が任命し、任期は5年間、再任は可能であり、一般的に10年間在任することになっています。
通例として国連事務総長選びで候補者は安全保障理事会5カ国の出身者ではなく、任命は安保理の勧告によって行なわれ、安保理は否決権をもっています。
アジアは世界で人口が最も多く、ミャンマーのウ・タント氏が1962年から1971年まで第3代の国連事務総長を務めました。
ウ・タント事務総長の後任にオーストリア出身のワルトハイム氏、ペルーのデ・クエヤル氏、エジプトのガーリ氏、ガーナのアナン氏とヨーロッパ、ラテン・アメリカ、アフリカ諸国の出身者が国連事務総長を務めていました。
そのため、慣例に従い、アナン事務総長の後任はアジア諸国の出身者であるべきで、アジア出身者の番であることは、国連事務総長選びにおける地域グループの持ち回り方式に合致し、国連加盟国の共通認識であると見られています。
安保理常任理事国では中国とロシアがアジア候補を支持し、アメリカとイギリスは地域グループの持ち回りに反対し、フランスは立場を表明していません。
これを受け、アナン事務総長は先月国連放送のインタビューに応じ、「大多数の加盟国はアジア候補への支持を示した」と明らかにしました。
次期国連事務総長の選びでアジアではタイのスラキアット副首相、スリランカのダナパラ前国連和平プロセス事務局長、韓国のパン・ギムン外交通商相、東ティモールのラモス・ホルタ外相、インド出身で広報担当のタルール国連事務次長、イランのハタミ前大統領、日本の猪口邦子(いのぐちくにこ)前ジュネーブ駐在軍縮大使などが出馬の意欲を示しています。
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