9月に入ると、中国の大学では新入生たちが入学する光景が見られます。今年中国の大学には、合わせて400万人余の新入生が入学しました。中国政府と大学側はより徹底した措置を講じて貧困学生の就学を支援しています。
中国の大学教育は義務教育ではありません。大学生一人当たりの学費は毎年6千元(日本円で、およそ8万円)です。このほか、寮の費用や生活費を加えて、1年間で1万元が必要です。この程度の支出は普通の家庭にとって問題はありません。しかし、経済状況の良くない家庭では払えない金額です。
安徽省農村部出身の劉玉さんは今年北京交通大学に合格しました。最初は劉さんはうれしかったのですが、不安もありました。家計は厳しく、4人の兄弟も学校に行っているため、劉さんの両親は、大学で勉強できるような費用はほとんど出せない状態です。
劉さんは、「学校に登録した時、先生に学費を出せないことを説明しました。そうすると、先生はグリーンルートというやり方を紹介してくれました。申請すれば、学費を払わなくても、入学することができ、入学後、国の学費貸付金を申し込んむというやり方で、これで、私は学費の問題が解決できたのです」と話していました。
グリーンルートとは、大学側が貧困学生の就学を支援するために考案した入学手続きの方法です。学生は学費と寮の費用を払わなくても、入学でき、学校の寮で生活できます。
劉さんは年6000元の学費貸付金を申し込みました。この金額によって劉さんの学費問題は解決できます。劉さんのような貧困学生は学校でアルバイトもできます。例えば学校の食堂、図書館、スーパーで働いて、もらった給料を生活費などに当てます。このほか、政府は貧困学生に毎月150元の生活手当てを与えます。劉さんは学校の試験でいい成績を取れば、国または学校から各種の奨学金も得られます。
統計によりますと、中国には大学生が1350万人在学しています。その内、劉さんのような貧困学生は約260万人もいて、全体の19%を占めているということです。この学生たちの学業を支援するため、政府と大学は国の学費貸付金、奨学金、学費減免、補助金などの措置を講じています。
各種の政策が順調に実施されることを保証するため、中国教育省は監督権を強化しています。教育省の高官崔邦エンさんは、「教育省は7月には各地域、各関係部門、各大学に再び告知を出した。今年新学期が始まる前に各大学は貧困学生への各種支援政策を全面的に実施し、新入生が順調に入学できるよう求めた」と紹介しました。
劉さんの例から見て、いかに貧困学生の就学支援をするかということは中国政府も重視しています。貧困学生への支援政策も徐々に改善されています。毎年多くの貧困学生は政府と大学による支援で大学に就学する夢を実現させています。(09/14)
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