北京市は9日午後7時ごろ、台風9号の勢力範囲から脱し、北京洪水対策指揮部は同市各区・県へ警戒解除の通知を出した。しかし、台風9号の到達が予報より十数時間ほど遅れたかに、市民らの疑問が集中している。北京市気象台の郭虎台長はこれについて、「台風予報の経験が不足していることが原因の1つだ」と率直に語っている。
郭台長は、「北京市は過去に台風の影響を受けたことがあるが、十数年に一度というまれな状況だ。ノウハウ蓄積が不足しているのは確かだ」と話す。北京市気象台天気予報室の廖暁農主任によると、台風9号の北西にあった強い高気圧が台風の北上を妨げていたが、同高気圧がなぜこの位置に停滞したか、勢力がなぜこれほど強かったかなどについては、現時点では解明できないとしている。
廖主任は、「予報の不確かさは、北京市の現在の観測・研究方法に大きな不足があることに関係する」と指摘。「中国の気象予報の世界的な位置付けは、発展途上国の中の上位程度に過ぎず、中国の気象研究はまだ基礎的なレベルだ。先進国が進めているような大気大循環モデルの研究には、大量の資金が必要だが、現在のところ中国の気象研究への投資は限られている」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2005年8月10日
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