このほど、イラン核問題に新しい動きが現れました。イランは、EUが出した包括案を明確に断り、また、ウラン加工活動をまもなく稼動させると何回も発表しました。EUはやむを得ず、国際原子力機関・IAEAの理事会を行うよう要求し、国際社会の圧力を利用してイランにウラン加工活動を放棄させるように動いています。これに対して、イランはこの問題が国連安保理に提出されても、イランは全く心配していないと述べました。これまで数ヶ月間続けられてきた交渉が今の激しい論争に変わり、イラン核問題は改めて激化してきました。
EUを代表して、イランと交渉を続いているイギリス、フランスとドイツの3ヶ国は5日に、核問題解決の包括案をイランに伝達しました。この包括案はイランが平和的に核エネルギーを利用する権利を有することを認める一方で、「核兵器拡散防止条約」から脱退しないことを承諾し、また、IAEAがイランの核施設に突発的な査察を行うことを許すようイランに要求しました。この包括案は、イランがすべてのウラン濃縮と加工作業を完全に停止し、ほかの国が核燃料を提供し、使用済みの核燃料棒を返すよう要求し、また、イランはその核研究を軍事面で使用しないことを確保するため、重水型原子炉建設の停止を求めました。その補償として、EUは政治、経済、科学技術などの分野でイランとの協力を強化することを承諾しました。この日、アメリカもEUの包括案へ支持を示し、イランが民間レベルの核プロジェクトを発展させることに初めて同意しました。
しかし、イランはこれに満足の意を示さず、これまでの2日間、何回もEUの提案を拒否しました。イラン外務省のアセフィ・スポークスマンは6日、「EUの包括案が受け入れられない。というと、EUはイランへの承諾を履行していなかった。また、包括案の中に、ウラン濃縮の合法権利を確保する内容がない。これは『核兵器拡散防止条約』の規定と双方が達成した協議に違反したものだ」と述べました。7日、このスポークスマンは、「イランはIAEAの監視下で、イスファハン核施設でのウラン加工活動を改めて稼動させる」と発表しました。イランのアフマディ・ネジャド新大統領は6日の就任儀式で、イランは西側の恐喝と脅威に絶対に屈服しないと述べました。
イランの強硬な態度に対して、EUは「イランがウラン濃縮に関する活動を回復すれば、EUとイランの核問題をめぐる交渉が自然に終わる」と述べる一方、IAEA理事会を開くよう呼びかけました。IAEAのリクウッド・スポークスマンはこのほど、IAEAは9日ウィーンで緊急会議を開くと証明しました。この会議は、IAEAの監視システムの設置を完全に終わるまで、イランが敏感な核活動を回復しないよう警告し、また、イランが改めてEUの提案を考慮し、双方の交渉を引き続き行うよう呼びかけることなどが予想されています。
これに対して、ヨーロッパ世論は、「イラン核問題でのこの新しい動きはイラン大統領の交替と内部的に関係がある。アフマディ・ネジャド新大統領が就任してから、核問題でイランは今後ずっと強硬な態度を示すか、あるいはこれまでのように、良い時期に緩和した政策を取るかをヨーロッパ諸国はまだ確定できない」としています。
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