日本語題:ツーヤの結婚 (2007)
英語題:Tuya's Marriage
【ストーリー】
遊牧民の女・ツーヤは、夫と二人の子供と一緒に暮らしています。三年前に夫が怪我をして歩けなくなり、女手一つで家族を養っています。放牧したり、水を汲みに行ったり、労働の負担は大きいものでした。ついに椎間板を痛め、このままでは歩けなくなってしまう恐れがあると医者に告げられます。やむを得ず夫婦は離婚し、ツーヤは再婚相手を探すことにします。内蒙古の厳しい自然環境の中で暮らす人々の絆や、男女の強い愛を描いた作品となっています。
【レビュー】
2007年4月に公開された新作映画『図雅的婚事(ツーヤの結婚)』。今年のベルリン映画祭で、グランプリ(金熊賞)をとり、国際的に認められた作品です。どこまでも草原が広がる内蒙古自治区に暮らす、モンゴル族の姿を描いた作品でもあります。少数民族を描いた映画には秀作が実に多く、最近では、『ヒマラヤの王子』(チベット族)や『モンゴリアン・ピンポン』(モンゴル族)などがあります。
実は今回の作品で、監督は、主役の女優以外はみんな素人を起用しています。リアリティを出したい、という監督の狙いが当たって、自然体の映画となっています。そうしたところに、監督の演出力や手腕を感じます。
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