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陳柏霖と伊東美咲 映画『アバウト・ラブ』の舞台挨拶に
   2005-09-28 10:41:19    cri

東京篇

台北篇

上海篇

 東京・台北・上海。

 異なる文化、違う言語を持つ2人が出逢い、そしてその人に何かを伝えようとすることで、生まれる繋がり。都会の息遣いと人と人とのふれあいの中、芽生え、そして交差する、想い。
『アバウト・ラヴ/関於愛(クワァンユーアイ)』は、東京・台北・上海という、アジアの3つの大都市を舞台に、留学生と現地に暮らす異性との出会い、そして言葉が通じない人間同士の異文化コミュニケーションを共通のテーマに据え、3つの物語で構成した"ひとつ"の普遍的なラブストーリー。
そして映画は、各話の主人公が少しずつ別の物語に顔を覗かせることによって、それぞれの個性を出しながらも共鳴しあっていく。

 「アイシテイル」----時代が、科学がどれだけ進歩しても変わらない、人と人との究極のコミュニケーションの現在進行形。本作は、「愛し合う」のではなく、ただ「愛する」ことに一途な人間の、国境も言語も超えた、それぞれの"愛について=about love"の物語なのである。

 では、東京篇をご紹介いたします。

 「せっかく東京まで来たのに何も描けない。夢を形にするのは難しい。空っぽのまま、外国で旅人のように生きていることを認めるのは、もっと難しい・・・」 「私が絵を描くのは溺れないためだ。一人でキャンバスに向かうことで、私はようやく存在することができる・・・」

 渋谷。スクランブル交差点。毎日多くの人が行き交う。これから行く所も、どこから来たのかも、まったくわからない何人もの人が、大勢行き交う場所。

 ヤオ(チェン・ボーリン)は、漫画家を目指して台北からやってきた留学生。専門学校に自転車で向かう途中、偶然、画材道具を路上にばらまいてしまい、立ち往生する若い女性を目撃する。画材を拾い集め人込みの中を堅い表情で足早に去っていく彼女に、なぜだか目が釘づけになる。

 渋谷のとある店。大きなキャンバスに色を重ねるアーティストの美智子(伊東美咲)。スペインへ行った恋人は、とっくに帰国しているはずなのに、連絡は途絶えたまま。絵筆を握り、溜息をつく。そして、諦めかけていた時に、彼からの着信。3年間心を通わせた相手は、たった4秒で別れを告げた。こらえようとしても、溢れる涙・・・。深夜のスクランブル交差点。涙を隠し俯いて歩いてくる美智子とぶつかりそうになるヤオ。謝りながら横を過ぎる彼女と一瞬目が合う。再会した美智子は泣いていた。美智子の泣き顔が脳裏に焼き付いて離れないままのヤオは、立ち止まった一角で、店のウィンドウ内に描きかけの絵を見つける。青空、大地、まっすぐな道。エールをもらっている気持ちになれる絵だった。

 翌日、ヤオは、昨日の絵をもう一度見るために店の前を通る。すると、澄んだ青空は冬の寒空のようなグレーに塗りつぶされていた。その変化に驚くヤオの前に、画材を手にした美智子が現れる。反射的に身を隠すヤオ。彼女の悲しそうな横顔が、キャンバスをグレーで埋め尽くしていくのを見たヤオは、美智子のためにあることを考え付く。

 帰り支度をしていた美智子は、ガラス戸に張り付いている小さな紙に気付く。そこには、美智子と思われる女性の泣き顔が描かれていた。その絵の悲しそうな瞳を、美智子は思わずじっと見つめる。誰がこれを・・・?その日から、ガラス戸には、1日1枚ずつ、美智子の似顔絵が貼られるようになっていった・・・

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