若手アイドル・徐静蕾、監督兼女優の神話
徐静蕾(シュー・ジンレイ)は1997年に『愛情麻辣湯(スパイシーラブスープ)』で女優デビューし、その後は『開往春天的地鉄(春へ向う地下鉄)』など数多くの映画やテレビドラマに出演しています。
中国の実力派アイドル女優と言っても言い過ぎではない彼女。この『私とパパ』は、彼女の監督デビュー作となりました。彼女はこの作品で自ら娘役を演じ、お父さん役には『赤いさくらんぼ』などの映画作品を監督した中国の有名な映画監督・葉大鷹がキャスティングされました。この映画には、中国の有名な俳優・姜文(ジャンウェン)や、歌手・王非(フェーワォン)のプロデューサー・張亜東も出演し、かなり話題を呼んでいます。
『私とパパ』は娘の父親に対する愛情をテーマにした、父と娘の物語です。
子供の時、両親が離婚し、父親を知らずに育てられた徐静蕾演じる娘の小魚は、母親との2人暮らしをしてきました。彼女が大学受験を控えていた頃、母親が突然交通事故で亡くなってしまいます。そして、彼女は、葉大鷹演じる父親の老魚と出会うのです。
怪しげな仲間たちとバーを経営する父の老魚は、ちょっとかたぎではない雰囲気で、娘の生活になかなか入り込めません。父はぎこちなく娘に接し、娘も独自の接し方で父親を愛しはじめます。しかし、そんな時、父親が、自分の経営するバーで売春の斡旋をしていたことが発覚し、彼は逮捕されてしまいます。一方、娘の小魚の方も、恋愛、結婚、妊娠、離婚といった波乱の人生を歩みます。さて、果たして、この二人の親子はどうなってしまうのでしょうか。
親子の絆は、昔から中国社会を支えているといっていいほど、大切な人間関係の一つです。この映画は微妙な親子関係を上手く取り上げています。一人っ子が多い中国家庭における親子関係をありのままに描き出し、親近感のある作品と言えるでしょう。
主演兼監督の徐静蕾も、この作品に対して大きな自信を持っているようです。「これをステップにして、今後は女優としてだけはでなく、映画監督の仕事も積極的に引き受けていきたい」と彼女はコメントしています。
父役の葉大鷹監督について、彼女は「演技や監督に対し非常に真剣な人で、何事にも熱心に取り組む姿勢が魅力的。でも、時には意見が合わず言い争いになることもありました。ま、結局は監督の私が最終的な決定をしましたけど」と撮影時の様子を語ってくれました。
この映画では、脚本から主演や監督まで、徐静蕾の多彩な才能を見る事ができます。
『私とパパ』を制作後、徐静蕾は『一個陌生女人的来信(ある見知らぬ女からの手紙)』でも監督・主演を担当し、今年9月にスペインで開催された第52回サン・セバスチャン映画祭に出席しました。
『一個陌生女人的来信(ある見知らぬ女からの手紙)』の後半部分には、日本でのロケもあるようですね。この映画にはあの有名な俳優・姜文も出演していて、中国大陸での公開時期は、来年のバレンタインデー頃を予定しているそうです。また、英語、日本語、スペイン語の吹き替え版も製作されるということで、徐静蕾は監督として更に国際的に名の知れる人になるでしょうね。(エンタメ・ホームシアター)
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